

臨床・病理
臨床検査と病理検査は、どちらも医療において重要な役割を果たします。
臨床検査は患者の体の状態を把握し、病気の可能性を探るための「推定診断」に⽤いられます。
病理検査は病変部の細胞や組織を直接観察し、病気の「確定診断」を⾏います。
⽇本電⼦は⽣化学⾃動分析装置と電⼦顕微鏡により、臨床から病理まで医療における診断の場を⽀えています。
臨床検査
⽣化学⾃動分析装置は、⾎液中の⾎清と呼ばれる薄⻩⾊の液体部分や尿などの体液成分を検体とし、糖やコレステロール、タンパク、酵素などの各種成分の測定を⾏う装置です。検体に試薬を加えた際の特定物質の量を⾊の変化量に直して測定します。現在では、⼀般的な⽣化学項⽬だけでなく、免疫⾎清、腫瘍マーカー、凝固検査の⼀部の項⽬など幅広い分野の測定が可能で、検体検査の中では⼤きなウェイトを占めています。
⽇本電⼦は⽣化学⾃動分析装置 BioMajesty™‧臨床検査情報処理システム CLALIS™‧試薬を通じて「より早く」「より正確に」「より効率的な」運⽤を提供します。
⽣化学⾃動分析装置での2つのチェック
今⽇の臨床検査のデータ報告は、迅速管理加算が追い⾵となり、診察前検査や迅速検査が⼀般的となってきています。
そのため、より多くの検査を時間内に⾏う必要が⽣じ、従来以上に測定結果の信頼性を確認‧保証するシステムが望まれています。
現在、臨床検査のデータ報告は、信頼性を向上するために、⼤きく分けて2つのチェックが⾏われています。
1つは検査システム等を⽤いた測定値の⾃動チェックです。これは、過去に蓄積された測定値のデータ分布からの逸脱度合いをチェックするもので、前回値チェックや項⽬間チェック等です。しかし、これらは測定結果について評価するものであり、測定⾃⾝を保証するものではありません。
そのため、もう1つのチェック法である測定⾃⾝を評価する異常反応チェック(反応波形のチェック)が重要です。⽇本電⼦の⽣化学⾃動分析装置は幾つかの異常反応検出機能(反応波形のチェック機能)を持っております。これら波形チェック機能は、波形のチェック部位ごとに設定があり、様々な異常波形に対応することができます。


⽣化学⾃動分析装置 BioMajesty™
BioMajesty™は反応液量の超微量化と超⾼速処理を実現した、臨床検査に貢献するJEOLの⽣化学⾃動分析装置です。採取した検体を希釈するという独⾃の⼿法で、検体量の微量化‧試薬の少量化を実現しました。これにより患者さんの負担軽減、ランニングコストの低減に貢献しています。
⼩‧中規模病院および検査センター
(患者検体分析専⾨の⺠間の会社)、⼤学病院などの⼤規模病院に納⼊されています。超微量測定の機能を⽣かして免疫、腫瘍マーカー、薬物、感染症マーカー等の検査項⽬の開発、そして⼩動物実験による創薬の開発など、ますます私達の医療への貢献が期待されています。

臨床検査情報処理システム
臨床検査情報処理システム CLALISTM JCS-60Lでは検体受付から報告まで、詳細にエビデンスを残しながら適切に分析装置群との連携を⾏って検査を進めていきます。単に装置と通信して結果値を取り込むだけでは無く、迅速報告のための時間管理や、過去データとの⽐較や項⽬間の関係などをリアルタイムにチェックし、疑わしい値をピックアップして通知することで異常データが⾒逃されないようサポートします。また現在の医療法が⼒を⼊れる検体検査の品質‧精度保証についは、⾃動分析装置の精度管データを集積することで、正しい測定結果を得るための管理を⾏うだけにとどまらず、使⽤する試薬‧消耗品を⼊庫から測定で使⽤するまで管理することで⽀えています。
病理検査
電⼦顕微鏡は細胞や組織の微細構造を直接観察することで、光学顕微鏡では⾒えない細胞内の微細構造や、それらの病的変化を観察できます。 近年では、免疫組織化学や分⼦⽣物学的検査の進歩により、以前ほど電⼦顕微鏡は必須のツールではありませんが、依然として「確定診断」の決め⼿には不可⽋な検査です。
腎⽣検における電⼦顕微鏡利⽤
腎⽣検 (じんせいけん) とは、腎臓の病気の診断や治療⽅針の決定に重要な検査で、腎臓の組織を採取して顕微鏡で調べます。
腎⽣検と電⼦顕微鏡は密接に関連しています。腎疾患の詳細な診断には、電⼦顕微鏡が重要な役割を果たします。特に、微細構造異常や沈着物の評価が必要な疾患では、電⼦顕微鏡がなければ正確な診断が難しい場合があります。
腎生検の手順は以下になります。
① 腎臓まで針を刺して組織を採取します
② 検体を分割して前処理を⾏い、光学顕微鏡‧蛍光顕微鏡 ‧電⼦顕微鏡などで観察します
③ 情報を統合して総合診断します
マウス腎臓の超広域透過電⼦顕微鏡像
以下のデータはSiN Window Chipの上に載せたマウス腎臓の超薄切⽚試料を、⾃動モンタージュシステム「Limitless Panorama
(LLP)」機能を使⽤して撮影しました。LLPにより撮影された広域画像を、Webブラウザで閲覧できるように加⼯したものです。画像をクリックすると、広域画像閲覧⽤の新しいタブが開きます。
フラットでグリッドバーの無いSiN Window Chipの上に載せた切⽚は、皺が無い状態で全域を観察することができます。この広域視野を⾼精細に記録するために、LLPを⽤いてピクセルサイズが約 5.6
nm/pixel の倍率で⾃動モンタージュ撮影 (96×90枚) を⾏いました。
こうして得られた画像は、約200億ピクセルの画素を持ち、⽷球体の基底膜構造を観察できる解像度を維持しつつ、腎臓⽪質領域全体 (⽷球体の分布や尿細管のネットワーク) を観察することができます。
Sample : Mouse kidney
Imaging Device : JEM-1400 / Matataki Flash Camera (2,048 x 2,048 pixels)
Image acquisition area : H 800 μm x W 760 μm with 8,640 (H 96 x W 90) images
Pixel size of the image : 5.6 nm/pixel
Total number of the pixels : 20 Gigapixel
Acceleration Voltage : 80 kV
臨床・病理のアプリケーションをもっと見る場合は以下のボタンから。