検出コイル及びプリアンプを極低温に冷却することにより熱雑音を低減し、従来の室温プローブと比較して数倍高い感度で測定が可能です。 オートチューニングユニットとの併用により、多種多様な連続測定が可能です。
SuperCOOLプローブは、以下の2タイプがラインナップされています。
・開放型システム (SCO: SuperCOOL Open)
・循環型システム (SCC: SuperCOOL Closed)
いずれのプローブも、試料温度を非常に広い範囲 (-40°C~150°C) で制御することができます。オプションにはプローブの交換作業をサポートするプローブリフターとプローブアームを用意しており、これらサポートユニットを使用することにより、固体プローブなど他のプローブとの併用も可能です。
特長
SuperCOOLプローブ 循環型システム
SuperCOOLプローブシステムは、UltraCOOLプローブシステム同様に低温によりノイズを抑え高感度に測定することができるシステムです。冷却ヘリウムガスを循環させて電気回路を冷却し、室温プローブに対し、比較的安価で約3倍の13C感度が得られます。多核測定に対応しているため、室温汎用プローブと同じ使い勝手で、より高感度にNMR信号を得ることが可能です。
循環型システムの場合は、冷媒の再充填等が必要ない*1ため室温プローブと同等の使い勝手を得ることができます。
また、試料管サイズも5 mmと10 mmからお選びいただけます。
*1: 連続運転中に限ります。停止後には再充填が必要となります。
600 MHz SuperCOOLプローブ 循環型システム
SuperCOOLプローブ 開放型システム
SuperCOOLプローブ 開放型システムはデュワー瓶から液体窒素を吹き付けることで電気回路を冷却します。このため定期的な液体窒素の再充填が必要となりますが、費用を抑えながらSuperCOOLプローブ 循環型システムに近い感度を得ることのできるプローブシステムです。また測定中でも液体窒素の充填が可能です。
600 MHz SuperCOOLプローブ 開放型システム
設置例
SuperCOOLプローブ 循環型システム
SuperCOOLプローブ 開放型システム
29Si バックグラウンドフリー
日本電子のCOOLプローブは、プローブ構成物由来の29Si バックグラウンド信号が大きく低減しています。ガラス材料系の測定時にバックグラウンド信号に邪魔されることなく測定することが出来ます。以下のスペクトルでは、試料管なしではバックグラウンド信号が著しく低減しており、バックグラウンド信号の大半は試料管由来である事がわかります。
10wt%水ガラス / D2Oの29Si NMRスペクトル
SuperCOOLプローブと5 mm PTFE製試料管の組み合わせで測定した29Si NMRのスペクトルです。-100 ppm付近のバックグラウンド信号が出ないため高磁場側の信号もしっかりと確認できています
5mMの低濃度で19F-13Cの2次元NMRであるHSQC測定が可能です。またスライススペクトルの比較によりROYALプローブ™に比べて高感度に信号を検出できていることがわかります。
SuperCOOL MARVEL HCN
SuperCOOL MARVEL HCNは、高感度かつ低コストな低温プローブ技術を実現したSuperCOOL MARVELシリーズをベースに、生体分子NMR研究向けに最適化した高感度低温プローブです。1H/19F、13C、15Nに対応した三重共鳴プローブとして設計されており、1H/19Fおよび13Cチャネルには専用の低温プリアンプを採用しています。タンパク質、ペプチド、核酸などの生体分子試料を対象としたNMR測定に優れた性能を発揮します。
主な特長
生体分子NMR測定に適した高感度三重共鳴プローブ (1H/19F, 13C, 15N)
対応する室温HCNプローブと比較して約2〜3倍の感度向上を実現
液体窒素冷却方式を採用し、低い運用コストと保守コストを実現
ユーザーメリット
タンパク質、ペプチド、核酸の高感度測定が可能
測定時間の短縮とスループットの向上
低濃度試料や少量試料の解析能力向上
ヘリウム冷却型低温プローブに比べて運用コストを低減
液体窒素補充中も測定を継続可能
主な用途
タンパク質の構造解析およびキャラクタリゼーション
タンパク質主鎖シグナルの帰属解析
タンパク質-リガンド相互作用解析
バイオ医薬品の構造・品質評価
ペプチドの構造解析
RNA・核酸研究
低濃度生体分子試料の測定
三重共鳴法をはじめとする高度な生体分子NMR実験
主な仕様
5 mm HCNプローブ
600 MHz装置対応
HFチャンネル:1H /19F(シングルチューン)
LF1チャンネル:13C
LF2チャンネル:15N
可変温度範囲:-40 ~ +80 ℃
アクティブシールド付きZ軸勾配磁場コイル(最大60 G/cm)
測定例
プローブ感度比較
0.35 mMの13C/15N標識ユビキチンを用いて測定した1D 15N HSQCスペクトルの重ね合わせです。SuperCOOL MARVEL HCN(青)と室温HCNプローブ(紫)を同一条件で比較した結果を示しています。
2D NOESYスペクトル
0.5 mMリゾチーム(20 mMリン酸緩衝液、H₂O/D₂O = 90/10%)の2D NOESYスペクトルです。8回積算、測定時間2時間で取得しています。室温HCNプローブでは確認が難しい弱いNOEクロスピークも、SuperCOOL MARVEL HCNでは明瞭に観測されています。
3D CBCA(CO)NHスペクトル
0.35 mMの13C/15N標識ユビキチンについて、NUS(12.5%)を用いて測定した3D CBCA(CO)NHスペクトルです。8回積算、測定時間は約2時間です。キューブ表示およびF2軸投影F3-F1平面表示を示しています。
オキシトシンのHSQC測定
環状ペプチドであるオキシトシン(1 mg/250 μL)の13C-HSQCおよび15N-HSQCスペクトルです。13C-HSQCは4スキャン、15N-HSQCは16回積算で取得し、いずれも30分以内で測定を完了しています。
プローブアームとプローブリフター
極低温プローブは安全上の問題から冷却状態での昇降は現実的なものではなく、かつてはプローブを室温に戻す手間や時間が必要でした。プローブアームやリフターを使用することにより、冷えたままの状態のUltraCOOLプローブやSuperCOOLプローブを交換することができます。UltraCOOLプローブやSuperCOOLプローブは、その性質上室温プローブよりも重量がありますが、プローブアームを用いることで容易に交換可能です。
プローブアーム
プローブリフター
◆上のボックス内の再生ボタンをクリックするとムービーが始まります。 (44秒) ◆
開発秘話
極低温プローブ「UltraCOOLプローブ」「SuperCOOLプローブ」の開発
カタログダウンロード
アプリケーション
SuperCOOLプローブに関するアプリケーション
測定時間を大幅に短縮!ローコスト、省電力な高感度プローブ SuperCOOL プローブ
