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Mn (III) ポルフィリン錯体の禁制遷移の観測

ER210004

デュアルモードキャビティー (ES-14040DMC) は温度可変装置を装着することが可能ですので、さまざまな温度でのESR観測に対応できます。
今回は液体ヘリウム温度可変装置 (ES-CT470) と組み合わせた極低温測定についてご紹介します。デュアルモードキャビティーについてはアプリケーションノート ER210003 をご参照ください。

測定例

極低温 (5K) にて Mn (III) ポルフィリン錯体 (図1) のESR観測を行いました。
Mn (III) (S = 2、I = 5/2) は、3d4の電子配置をもちます。d4系のイオンは一般にスピン格子緩和時間が短く、ゼロ磁場分裂が大きいためESRの報告例は極めて少ないとされています。ここでは、スピン格子緩和時間をできるだけ長くするため、試料を5Kに冷却して垂直 / 平行モードにて ESR 測定を行いました。垂直モードでは明確な信号は観測されませんでしたが (図2  (A))、平行モードではg = 8.2にMnによる6本の超微細分裂を伴う禁制遷移が観測されました (図2 (B))。 
このように平行モードを利用した禁制遷移の観測から、これまで見えなかった常磁性種の分子構造や電子状態を検討する手掛りが得られる可能性があります。

図1. Mn (III) ポルフィリン

図1. Mn (III) ポルフィリン

図 2. Mn (III) ポルフィリン錯体の垂直/平行モードの ESR スペクトル

図2. Mn (III) ポルフィリン錯体の垂直/平行モードの ESR スペクトル

(A) 垂直モード (共鳴周波数:9,332 MHz) (B) 平行モード (共鳴周波数: 8,793 MHz)
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