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食と農に関係する有機化合物の分子構造解析

ED2022-06

XtaLAB Synergy-ED および日本電子装置による農薬分子の構造解析

Diflubenzuron微小結晶の
XtaLAB Synergy-ED電子回折構造
解析結果

Diflubenzuronは、人や家畜に対する安全性が高い農薬とされ、様々な農作物や不快害虫の駆除にも使用されています。残留農薬分析における項目の一つであり、 適切に管理されている化合物です。
XtaLAB Synergy-EDは、試験用試薬などの粉末試料をそのままの状態で電子回折構造解析を行うことが可能です。さらに日本電子の質量分析計 (MS) および核磁気共鳴装置 (NMR) による精密な化学構造分析と組み合わせることで、サブミクロン結晶のより最良な分子構造解析が可能です。

Diflubenzuron分子の化学構造分析

質量分析計SpiralTOF™-plus 2.0による精密質量測定や、核磁気共鳴装置ECZ Luminous™シリーズによる分子化学構造の分析からDiflubenzuron分子の詳細な解析が可能です。左図は、DiflubenzuronのMSおよびNMR測定結果です。精密質量の分析結果から、Diflubenzuron分子の組成式を調べることができます。また二次元NMR測定から、1Hおよび13C原子核、1Hおよび15N原子核、また1Hおよび19F原子核の繋がりを分析することで、Diflubenzuronの部分構造を解析することが可能です。 フッ素を含む化合物の分析については、HFを1H および19F のデュアルチューンに切り替えることができるROYALプローブ™ HFXによる分析が有効です。 このプローブの使用により、1H-19F 相関や1H、19F、X核の3重共鳴実験が可能です。これらを組み合わせることで、全体の分子構造を推定することができます。以下は、推定されたDiflubenzuron分子の構造です。

MS・NMR分析結果より推定されたDiflubenzuron分子の化学構造

左上:   JMS-S3000 SpiralTOF™-plus 2.0によるDiflubenzuronの
    精密質量分析結果
左中央:  DiflubenzuronのMS/MSスペクトル
左下:   JNM-ECZL 500R によるDiflubenzuronの
       13C with 1H and 19F decoupling スペクトルおよび
                  1H-19F HETCOR

Diflubenzuron微結晶電子回折データの構造精密化

JNM-ECZL500によるDiflubenzuronの1H-19F HOESYおよび
1H-15N HMBC NMRスペクトルから確認された窒素およびフッ素の
位置関係

XtaLAB Synergy-EDでは、Diflubenzuronを微小結晶の状態で単結晶電子回折構造解析を行うことが可能です。 Diflubenzuronは、水素、炭素、窒素、酸素、および塩素の元素を含みます。電子回折による分子構造解析では、電子回折データから得られた電子密度分布をもとに解析を行います。
原子番号の近い元素から構成される分子の場合、分子によってはそれぞれの元素の違いや水素の数を推定することが難しい場合があります。
電子回折測定から得られた電子密度分布による初期構造は、MSおよびNMRから得られた化学構造情報を用いて最適化することが可能です。以下の右図は、MS・NMR分析結果により精密化されたDiflubenzuron微小結晶の電子回折構造解析結果です。

 

XtaLAB Synergy-EDによるDiflubenzuron微小粒子の電子回折結果
電子密度分布より得られた初期構造

XtaLAB Synergy-EDによるDiflubenzuron微小粒子の電子回折結果
MS・NMR分析結果より精密化された分子立体構造

Riboflavinの分子構造解析

Riboflavinは、ビタミンB2とも呼ばれ様々な農作物に含まれています。人の健康を損なうおそれのない物として、残留農薬分析では規定より除外されている化合物です。Riboflavinも、Diflubenzuronと同様に解析することが可能です。以下は、 MS・NMR分析結果より精密化されたRiboflavinの分子構造解析結果です。NMRで確認できた1Hおよび13C原子核や1Hおよび15N原子核の繋がりから精密化されました。

 

左:   JNM-ECZL 500R によるRiboflavinのEdited HSQCおよびEdited H2BC NMRスペクトル
中央:  JNM-ECZL 500R によるRiboflavinのNMRスペクトルから確認された原子核どうしの繋がり
右:   XtaLAB Synergy-EDによるRiboflavin微小粒子の電子回折構造解析結果

分野別ソリューション

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