Aqua Cover法を使って液体の水を直接観察!
MP2025-03
はじめに
SEMが多機能化するにつれて、色々な試料の観察方法が確立されている。
ここでは、汎用SEMであるJSM-IT510を用い、液体の水そのものや水分を含んだ状態の試料を直接観察するAqua Cover法とその観察事例を紹介する。
水分を含んだ編物の乾燥過程 ~光学顕微鏡の場合~
生地の乾燥過程の観察には光学顕微鏡が簡便だが、水の判別が困難である。
では、SEMならどうでしょうか?
SEMで液体状態の水を観察
一般的な水の相図
蓮の葉上の水滴 (カラー化)
Aqua Cover法の手順
*予備排気室 (LLC) が必要。
水分を含んだ生地の乾燥過程の観察事例
Aqua Cover法を用いれば、SEMの高い空間分解能と深い焦点深度を生かした高含水試料の観察が可能になる。
本データは前機種JSM-IT500で撮影したものです。
まとめ
Aqua Cover法を使用することで、液体状態の水を保ったまま観察を行うことができる。JSM-IT510を用いることで、650 Paという低真空環境下でもS/Nの良い信号を得ることができ、水分が蒸発していく様子を動画として収めるなど、動的な観察も行うことができるようになる。最近では、本手法を使って材料の接触角 (ぬれ性) の評価が行われるようになってきている。
今回は、水分を含んだ生地の乾燥過程の観察事例を紹介した。光学顕微鏡像と比べて、繊維と水のコントラストがはっきりと区別できる。また、試料状態にもよるが、観察開始から乾燥まで、5分以上の十分な観察時間が確保できている。
