JEM-ARM200F ACCELARM は照射系球面収差補正装置を標準搭載し、STEM-HAADF像分解能 78pmを有する原子分解能分析電子顕微鏡です。
特長
STEM-HAADF像分解能 78pm※1を保証
照射系球面収差補正装置を標準搭載し、機械的・電気的安定度を極限まで高めることで、世界最高レベルのSTEM-HAADF像分解能 78pm※1、82pm※2を実現しました。
また、収差補正された電子プローブは、通常の電界放出形透過電子顕微鏡に比べて、1桁以上高い電流密度を得ることが可能となりました。この鋭く細い大電流密度の電子プローブにより、原子レベルでの元素分析が可能になると共に、測定時間が大幅に短縮されスループットが大きく向上します。
※1 冷陰極電界放出形電子銃搭載時
※2 Schottky電界放出形電子銃搭載時
STEM-ABF像による軽元素カラムサイトの直接観察
JEM-ARM200F ACCELARM では、走査透過環状明視野像(STEM-ABF)を標準で取得することが可能です。
STEM-ABF像では結晶試料中の軽元素の原子位置を直接観察することができ、STEM-HAADF像との同時取得により、試料の構造解析に威力を発揮します。
大面積100mm²SDD※3による原子分解能分析
日本電子製の大面積100mm² シリコンドリフト検出器(Silicon Drift Detector:SDD)※3を搭載することにより、高速且つ高感度でEDSによる元素分析が可能となりました。JEM-ARM200F ACCELARM の収差補正された電子プローブと組み合わせることで、原子カラムマップも行うことができ、原子レベルの分解能での組成解析が可能です。
※3 オプション
冷陰極電界放出形電子銃※4による観察・分析
冷陰極電界放出形電子銃(Cold-FEG)※4は、従来のCold-FEGと異なりフラッシング直後から使用可能です。また、光源が小さいため、より高い分解能の像が得られます。さらに、Cold-FEGはエネルギー幅が狭いので、高いエネルギー分解能のEELS分析が可能であり、かつ色収差を低減することができます。
※4 オプション
結像系球面収差補正装置※5
結像系球面収差補正装置※5を搭載することにより、透過顕微鏡像(TEM)の分解能を110pmまで高めることが可能です。
※5 オプション
仕様・オプション
分解能 | |
---|---|
走査透過暗視野像 | 82pm(加速電圧200kV、ショットキー電界放出形電子銃搭載時) 78pm(加速電圧200kV、冷陰極電界放出形電子銃搭載時) |
透過像(点分解能) | 190pm(加速電圧200kV) 110pm(加速電圧200kV、結像系球面収差補正装置装着時) |
倍率 | |
走査透過像 | X200~X150,000,000 |
透過像 | X50~X2,000,000 |
電子銃 | |
電子銃 | ショットキー電界放出形電子銃 冷陰極電界放出形電子銃(オプション) |
加速電圧 | 200~80kV(標準200kV、80kV) |
試料系 | |
ステージ | ユーセントリックサイドエントリーゴニオメーターステージ |
試料サイズ | 3mmΦ |
最大傾斜角 | X軸:±25° Y軸:±25°(2軸傾斜ホルダ使用時) |
移動範囲 | X,Y:±1mm Z:±0.1mm(モータ駆動/ピエゾ駆動) |
収差補正装置 | |
照射系球面収差補正装置 | 標準組み込み |
結像系球面収差補正装置 | オプション |
オプション | |
主な装着可能オプション | エネルギー分散形X線分析装置(EDS) 電子線エネルギー損失分光器(EELS) デジタルCCDカメラシステム TEM/STEMトモグラフィーシステム バイプリズム |
アプリケーション
JEM-ARM200Fに関するアプリケーション
4D-STEMとSTEM-EELSを用いたFinFETのplan-view観察
ピクセル型STEM検出器「4DCanvas™」により取得された応用データ紹介
C-FEGを有した収差補正透過電子顕微鏡によるZ方向分解能向上
自動収差補正装置とCold-FEGを搭載した透過電子顕微鏡による低加速電圧原子分解能観察と分析
固体NMR・X線回折・電子回折の複合アプローチによる低分子有機物の構造解析法
ギャラリー

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