FIB-SEMによる3D NANDのTEM試料作製
IB2025-03
はじめに
FIB-SEMは、Gaイオンビームによる微細加工とSEMによる観察・分析機能を融合した装置である。この特性を活かすことで、加工途中の断面画像を確認しながら、精密なTEM試料の作製が可能となる。特に微細化が進む半導体分野では、狙った位置からのTEM試料作製に広く活用されている。
3D NANDは、NAND型フラッシュメモリの一種であり、スマートフォンやPCなどの記憶装置に広く採用されている。数十〜数百nm程度の微細構造が規則的に積層された構造を持ち(Figure. 1)、品質検査にはTEMによる解析が一般的に行われる。そのため、TEM観察に先立つ高精度な試料作製にはFIB-SEMが不可欠である。
本アプリケーションノートでは、高分解能のSEMを搭載し、簡便なSTEMワークフローを実現したFIB-SEMシステム「JIB-PS500i」(Figure. 2)を用いて、3D NAND構造に対して3方向からSEM像の撮影およびTEM試料の作製を行い、得られたTEM観察結果について紹介する。

Figure. 1 3D NANDの構造

Figure. 2 JIB-PS500iの外観
FIBによるTEM試料作製の手順
3D NANDにおけるFIBによるTEM試料作製では、母材からブロックを切り出し、FIBグリッドにマウントした後、ブロックを薄片化する手法が一般的である。JIB-PS500iでは、ステージを90°以上傾斜できるため、試料を装置から取り出すことなく、STEMによるTEM試料の確認が可能である(Figure. 3)。この機能により、特定の位置を狙った高品質なTEM試料作製が可能となる。

Figure. 3 JIB-PS500iによるTEM試料作製の流れ
結果
3方向から取得したSEM像、SEM-STEM像(JIB-PS500iにて取得)、TEM-STEM像(JEM-ARM200Fにて取得)を以下に示す(Figure. 4~6)。

Figure. 4 YZ方向のSEM像、STEM像(JIB-PS500i)およびTEM像(JEM-ARM200F)

Figure. 5 XZ方向のSEM像、STEM像(JIB-PS500i)およびTEM像(JEM-ARM200F)

Figure. 6 XY方向のSEM像、STEM像(JIB-PS500i)およびTEM像(JEM-ARM200F)
まとめ
JIB-PS500iを用いて3D NANDのSEM観察とTEM試料作製を3方向から実施した。
高分解能なSEM像と簡便なSTEM観察により、3D NANDのような半導体微細構造においても高品質なTEM試料が作製可能である。
