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"NEOARM"は、当社独自の技術で開発された冷陰極電界放出形電子銃(Cold-FEG)と高次の収差まで補正可能な新型球面収差補正装置(ASCOR)を標準搭載し、200 kVの高加速電圧だけでなく30 kVの低加速電圧においても原子分解能での観察を実現しました。
また、当社独自の収差補正アルゴリズムを開発し高速かつ正確な収差補正を自動的に行うシステムを搭載しました。これにより、ハイスループットな原子分解能観察を提供します。
さらに、加速電圧によらず高い軽元素のコントラストが得られる新型STEM検出器を搭載しました。これにより軽元素のコントラストを向上させゆく新たなSTEMイメージング手法(e-ABF法)が可能となり、軽元素を含む材料の明瞭なコントラスト観察が容易になります。
昨今、主流となっておりますリモート操作のご要求に応えるため、本体と操作卓を分離し当社の新しいコンセプトカラーであるピュアホワイトとJEOLシルバーを採用し、より洗練されたフォルムデザインに仕上がりました。

特長

特長1

球面収差補正装置ASCOR (Advanced STEM corrector)

"NEOARM"に搭載されたASCORは、従来の補正装置において分解能を制限する主要因であった高次収差 (6回非点収差) を補正することができます。
ASCORとCold-FEGとの組合わせは、高加速電圧から低加速電圧まで、幅広い加速電圧において高い原子分解能を実現します。

GaN [211]:200 kV

Si [110]:80 kV

Graphene (mono layer):30 kV

  • STEM image by UHR cofiguration

200kV、80kV、30kVでの原子分解能STEM-ADF像とFFTパターン、およびロンチグラム像。

特長2

自動収差補正ソフトウェアJEOL COSMO™ (Corrector System Module)

JEOL COSMO™は、新しい収差アルゴリズム (SRAM: Segmented Ronchigram Auto-correction function Matrix) を採用したことにより、収差補正のための標準試料に入れ替えなくとも、高次の収差まで高精度かつ迅速に補正することが可能です。
一般的な補正アルゴリズムと比較し高速な処理が可能であり、操作も自動化されていますので、お客様のワークフローを複雑にすることなく、ハイスループットで流れるような高分解能観察や各種元素分析を実現します。

サンプル: Si[110]
加速電圧: 200 kV

特長3

新ABF (Annular Bright Field) 検出器システム

ABF検出器は、軽元素の高分解能観察に有効な手法として広く使われるようになってきています。
"NEOARM"では、軽元素のコントラストをさらに向上させる新しいABFイメージング法 (e-ABF:enhanced ABF) ABFに対応しました。これにより、軽元素を含む材料の原子レベルでの構造観察が容易になります。

軽元素位置のコントラストが向上します。

Reference: S.D. Findlay, Y.Kohno, L.A. Cardamone, Y.Ikuhara, N.Shibata, Ultramicroscopy 136(2014)31-41.

特長4

Perfect sight検出器

パーフェクトサイト (Perfect sight) 検出器は、異種材料から成るシンチレーターを採用したハイブリッド検出器です。
"NEOARM"は、この検出器を搭載しており、加速電圧によらず常に高コントラストと定量性のあるSTEM像を得ることが可能となりました。

特長5

OBFシステム (オプション)*

OBF STEM(Optimum Bright Field STEM)は、分割STEM検出器で得られた各セグメント像を位相像再生の元データとして使用し、専用のフーリエフィルターを用いて画像のS/N比を最大化する新しいイメージング手法です。重元素と軽元素の両方に対し、極めて低い電子線量で高いコントラストを実現します。
標準的な環状暗視野・環状明視野STEM法では観察が困難な電子線に弱い物質に対しても、高いコントラストを維持しつつ、且つ幅広い倍率で簡単に解析することができます。

K. Ooe, T. Seki, et al., Ultramicroscopy 220, 113133 (2021)

STEM Low Dose Imaging

ゼオライトや金属有機構造体 (MOF) などの電子線に弱い材料では、照射電子線量を抑えつつ、軽元素を高いコントラストで観察する必要があります (通常、プローブ電流は1.0 pA未満)。
OBF STEMは、このような低電子線量での実験に非常に有効であり、低ドーズ条件かつ原子分解能レベルでのSTEM観察を実現します。

MOF MIL-101 (左) およびMFIゼオライト (右) のOBF STEM像は、いずれもシングルショットで取得され、右図のFFTパターン上で1Åという高い空間分解能が確認できています。さらにスタック画像平均 (左挿入図) により、分解能とコントラストが非常に高いレベルで両立されていることが確認できます。



試料: MOF MIL-101
装置: JEM-ARM300F2
加速電圧: 300 kV
収束半角: 7 mrad
プローブ電流: < 0.15 pA
挿入図) 50フレーム平均
試料ご提供: Prof. Zhenxia Zhao, Guangxi University

試料: MFI ゼオライト
装置: JEM-ARM300F2
加速電圧: 300 kV
収束半角: 16 mrad
プローブ電流: 0.5 pA
挿入図) FFTパターン

 

High Contrast Imaging for Light Elements

OBF STEM法は、軽元素観察にも非常に適した手法です。低加速電圧での観察においても、高いコントラストと空間分解能を両立させることができます。
OBFの高いドーズ効率と合わせ、試料へのダメージを大きく軽減することが可能です。



試料 : GaN [110]
装置 : JEM-ARM200F
加速電圧 : 60 kV
収束半角 : 35 mrad

試料 : グラフェン
装置 : JEM-ARM200F
加速電圧 : 60 kV
収束半角 : 35 mrad

 

高加速電圧での観察では、より高い空間分解能が実現可能です。
高いコントラストを維持しつつ、サブオングストロームでのSTEM像観察を実施することができます。



試料 : β-Si3N4 [0001]
装置 : JEM-ARM200F
加速電圧 : 200 kV
収束半角 : 24 mrad
挿入図) 10 フレーム平均

試料 : GaN [211]
装置 : JEM-ARM300F2
加速電圧 : 300 kV
収束半角 : 32 mrad
挿入図) 20 フレーム平均

  • SAAF Quad構成時はe-ABF (enhanced ABF) は利用できません。

Live OBF Imaging

電子線に弱い試料に対しては、視野探しから像取得までの全ての操作を低ドーズ条件下で行う必要があります。
このような場合、OBF STEMのライブイメージングは必須の機能となります。
OBFライブイメージング機能は、OBFシステムに標準で含まれていて、シンプルなGUI制御で、通常のSTEM像観察に近いシームレスな表示更新が可能です。

動画

Live observation of OBF-STEM images with JEM-ARM200F

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関連リンク

仕様・オプション

分解能*1 STEM HAADF 像 70 pm (200 kV)、100 pm (80 kV)、160 pm (30 kV)
TEM 情報限界 100 pm (200 kV)、110 pm (80 kV)、250 pm (30 kV)
電子銃 冷陰極電界放出形電子銃 – 標準搭載
収差補正装置 STEM: NEO ASCOR HOAC*2、TEM: CETCOR with DSS*3
収差補正装置自動調整システム NEO JEOL COSMO™ 自動収差補正システム、その場チューニングシステム(SIAM)標準組込
加速電圧 30 ~ 200 kV (80、200 kV – 標準、30、60、120 kV – オプション)
磁場フリーモード ローレンツ・倍率設定モード ( 画面上 ×50 ~ 80 k) – 標準搭載
試料移動機構 X,Y,Z スーパーファイン機械駆動、ウルトラファイン・ピエゾ素子駆動 – 標準搭載
操作 RDS*4 操作
  • UHR (超高分解能ポールピース) 付きのSTEM/TEM球面収差補正装置構成の場合

  • HOAC (高次収差補正装置)

  • DSS (DeScan(デスキャン)システム)

  • RDS (設置室分割)

カタログダウンロード

アプリケーション

ギャラリー

動画

CEOS社製STEM収差補正機における自動収差補正

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ロンチグラムを用いた手動収差補正

◆上のボックス内の再生ボタンをクリックするとムービーが始まります(約20分)◆

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