核磁気共鳴装置(NMR) 用語集

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  • A

    • ADC

      読み
      ADC
      カテゴリ
      装置
      英語
      ADC
      説明
      Analog to Digital Convertorの略。アナログ-デジタル変換器。アナログ信号として受信されたNMR信号を、コンピュータで取り扱えるデジタル信号に変換する電子回路。
    • ADEQUATE

      読み
      ADEQUATE
      カテゴリ
      測定法
      英語
      ADEQUATE
      説明
      Adequate sensitivity DoublE QUAnTum spEctroscopyの略。INEPT-INADEQUATEの派生形であり、1H観測により13C-13Cの結合を検出する。1H検出であるため、INADEQUATEに比べて感度が高いが、1H検出であるが故に4級炭素同士の結合を観測することはできない。
    • Adiabaticパルス

      読み
      Adiabaticぱるす
      カテゴリ
      原理
      英語
      adiabatic pulse
      説明
      断熱パルス。強度変調と位相変調を組み合わせ、比較的弱いパワーで非常に広範囲に渡って均一に核スピンを操作(主として反転)することのできるRFパルス。WURST、CHIRPなどが有名。このパルスを使用したデカップリング系列をAdiabatic Decouplingと呼ぶ。
    • APT

      読み
      APT
      カテゴリ
      測定法
      英語
      APT
      説明
      Attached Proton Testの略。13Cに結合した1Hの数を確認するための測定法。13Cのスピンエコーのディレイを1H-13CのJ結合の逆数に設定した場合、4級と2級、3級と1級炭素がそれぞれが逆位相で観測される。
    • AQARI

      読み
      AQARI
      カテゴリ
      測定法
      英語
      AQARI
      説明
      Accurate QuAntitative nmR Internal reference substanceの略。qNMRの一種。内部標準方式は、定量基準物質を測定対象試料とともに正確に秤量して信号の強度比較をおこなうことで定量する。装置や試料環境などの影響を受けず、原理的に阻害要因が少ないため、最も定量精度が高い。その反面、基準物質と試料を混合するため、試料の回収が難しい。
    • AQP

      読み
      AQP
      カテゴリ
      装置
      英語
      AQP
      説明
      Acquisition Processorの略。NMR信号をデジタル信号として取り込むための電子回路。
    • ASC

      読み
      ASC
      カテゴリ
      装置
      英語
      ASC
      説明
      Auto Sample Changerの略。自動サンプル交換機。全自動で測定試料を交換してくれる装置。多検体の連続測定も安心。
    • ASTM

      読み
      ASTM
      カテゴリ
      装置
      英語
      ASTM
      説明
      American Society of Testing and Materialsの略。米国材料・試験協会の略称。協会が制定した規格をいう。NMRの規格では13Cの感度規定用の試料として、40%ジオキサンの重ベンゼン溶液を使用する。NMR業界では単にASTMと言った場合、この試料を指す。
  • B

    • BEF

      読み
      BEF
      カテゴリ
      装置
      英語
      BEF
      説明
      Band Elimination Filterの略。帯域除去フィルタ。特定の帯域の周波数を除去し、それ以外の周波数を通過させるための電子回路。例えば13Cの観測時に2H Lockの周波数の漏れ込みを防ぐために使用される。
    • BF

      読み
      BF
      カテゴリ
      原理
      英語
      broadening factor
      説明
      Broadening Factorの略。線幅広幅化因子。指数関数のウインドウ関数(exponential window function)における係数であり、大きくするとFIDを速く減衰させるために信号の線幅が広がり、ノイズ成分が低減されるため見かけ上のSN比が向上する。
    • BLIP

      読み
      BLIP
      カテゴリ
      原理
      英語
      BLIP
      説明
      Backward Linear Interpolationの略。後方線形補足、後方線形予測などともいう。FIDの最初の数点が何らかの原因で理想的でない場合に、ベースラインの歪みの原因となるが、それを防ぐために異常なデータ点を後方の正常なデータ点から予測したデータ点で置き換えるための処理。
    • BPF

      読み
      BPF
      カテゴリ
      装置
      英語
      BPF
      説明
      Band Pass Filterの略。帯域通過フィルタ。特定の帯域の周波数を通過させ、それ以外の周波数を遮断するための電子回路。
  • C

    • CHIRP

      読み
      CHIRP
      カテゴリ
      測定法
      英語
      CHIRP
      説明
      Compressed High Intensity Radar Pulseの略。断熱パルスの一種。小位相変調により、非常に広い帯域を持つ。Z軸上の反転パルス(180°パルス)として使用され、このパルスを使用したデカップリングをCHIRPデカップリングと呼ぶ。
    • COLOC

      読み
      COLOC
      カテゴリ
      測定法
      英語
      COLOC
      説明
      COrrelation through LOng-range Couplingの略。異種核間遠隔シフト相関2次元NMRのこと。2結合ないしは3結合を介した異種核(通常は13Cと1H)の間に相関信号が現れる。得られる情報はHMBCと同じだが、直接観測するのが13Cであるため、HMBCよりも感度が低い。
    • Complex

      読み
      Complex
      カテゴリ
      原理
      英語
      complex
      説明
      二相検波データのこと。90度位相の異なるRealデータとImaginalyデータから構成される。
    • COSY

      読み
      COSY
      カテゴリ
      測定法
      英語
      COSY
      説明
      COrrelation SpectroscopYの略。同種核シフト相関2次元NMRのこと。スピン結合している1H同士の間に相関信号が現れる。
    • CPD

      読み
      CPD
      カテゴリ
      測定法
      英語
      CPD
      説明
      Composite Pulse Decouplingの略。コンポジットパルス列を使用したデカップリング法。デカップリングのためにRF照射する際、単純なラジオ波を照射し続ける場合、RF出力の制限からデカップリングの可能な帯域が制限される。このため、照射の中心周波数から離れた周波数の信号は完全にデカップリングできない。そこで、位相の異なる複数のパルスを組み合わせたコンポジットパルス列を利用する。コンポジットパルス列には、WALTZ、GARPなど様々な種類があり、デカップリング帯域の拡張率(Ξ, figure of merit: FOM)もそれぞれ異なる。
    • CPMAS

      読み
      CPMAS
      カテゴリ
      測定法
      英語
      CPMAS
      説明
      Cross Polarization Magic Angle Spinningの略。CP/MASとも表記される。交差分極(CP)とマジック角回転(MAS)を組み合わせた、固体NMR測定法。1Hのような高感度核種が近傍に存在する13Cなどの低感度核種を、高感度かつ高分解能に測定することができる。
    • CPMG

      読み
      CPMG
      カテゴリ
      測定法
      英語
      CPMG
      説明
      Carr-Purcell-Meiboom-Gillの略。一定の間隔で連続する180°パルスによってスピンエコーを繰り返し、磁化を回転座標系のxy平面上に固定する。この間のT2緩和によって横磁化の総和は減少していくため、横緩和時間T2を測定するために用いられる。CPMG系列を使用することによって、T2の短い成分を消去することも可能で、この場合にはT2フィルタと呼ばれる。
    • CRAMPS

      読み
      CRAMPS
      カテゴリ
      測定法
      英語
      CRAMPS
      説明
      Combined Rotational And Multiple Pulse Spectroscopyの略。固体NMRにおける1Hの高分解能測定法のひとつ。強力な多重パルスにより、1Hの分解能を向上させる。一般的に高速MASによる異方性相互作用の消去は、固体NMRで信号の高分解能化に寄与するが、1Hの場合は双極子相互作用が非常に強いため、圧倒的な高速回転(100kHz程度以上)が必要になる。ここまでの高速回転を実現できない場合も、CRAMPSの利用により官能基を判別できる程度の高分解能化が可能。
    • CW-NMR

      読み
      CW-NMR
      カテゴリ
      装置
      英語
      spancontinuous wave NMR
      説明
      Continuous Wave NMRの略。連続波型NMR装置。一定周波数下で磁場を掃引(もしくは一定磁場下で周波数を掃引)して核磁気共鳴吸収現象を観測するNMR装置。パルス-フーリエ変換型NMR装置の出現以前の電磁石や永久磁石の装置で使用されていた。
    • CYCLOPS

      読み
      CYCLOPS
      カテゴリ
      原理
      英語
      CYCLOPS
      説明
      CYCLically-Ordered Phase-Sequenceの略。主として受信器によるアーティファクトを取り除く目的で、パルスと受信器の位相を同時に90度ずつ変えていくことにより、NMR信号以外のパルス位相と独立な不要信号を打ち消していく手法。
  • D

    • DAC

      読み
      DAC
      カテゴリ
      装置
      英語
      DAC
      説明
      Digital to Analog Convertorの略。デジタル-アナログ変換器。デジタル信号をアナログ信号に変換する電子回路。
    • DANTE

      読み
      DANTE
      カテゴリ
      測定法
      英語
      DANTE
      説明
      Delay Alternating with Nutation for Tailored Excitationの略。選択励起法の1つ。短いパルスを連続して繰り返し照射することにより、全体としては低いduty cycleで特定の周波数を選択励起できる。様々なパルスシーケンス内で使用されるが、例えばPresaturationにDANTE系列を使用する場合はDANTE Presaturationと呼ばれる。JMR,29,433-462(1978)
    • DARR

      読み
      DARR
      カテゴリ
      測定法
      英語
      DARR
      説明
      Dipolar Assisted Rotational Resonanceの略。固体NMRにおいて、回転同期パルス列を用いて双極子相互作用を復活(recoupling)させ、13C-13C間の距離情報を得ることを可能とした2次元測定法。
    • DDS

      読み
      DDS
      カテゴリ
      装置
      英語
      DDS
      説明
      Direct Digital Synthesizerの略。発信器から任意の周波数や波形をデジタル的に生成する電子回路。
    • DEPT

      読み
      DEPT
      カテゴリ
      測定法
      英語
      DEPT
      説明
      Distortion less Enhancement by Polarization Transferの略。1Hからの磁化移動により、低感度核種の信号強度を増強する測定手法。INEPTにおいて信号の位相が歪む問題点を克服している。1Hからの磁化移動を利用しているため、測定の繰り返し時間は1Hの緩和時間に依存する。また、結合する1Hの数によって信号の強度が異なる。1Hに与えるパルスのフリップ角を45度パルス(CH3 = +1, CH2 = +1, CH = +0.5)とした場合、90度パルス(CH3 = 0, CH2 = 0, CH = +1)とした場合、135度パルス(CH3 = +1, CH2 = -1, CH = +0.5)とした場合の3通りの測定をおこなうことにより、メチル基、メチレン基、メチン基の信号をそれぞれ判別することができる。なお、1Hからの磁化移動を利用しているため、1Hの無い4級炭素の信号は観測されない。
    • DIPSI

      読み
      DIPSI
      カテゴリ
      測定法
      英語
      DIPSI
      説明
      Decoupling In the Presence of Scalar Interactionの略。コンポジットパルス列の一種。TOCSYの等方的ミキシングで使用されるためにデザインされた。スピンロッキングに使用される。他のコンポジットパルス列と組み合わせて使用される。JMR,77,274(1988)
    • DOR

      読み
      DOR
      カテゴリ
      測定法
      英語
      DOR
      説明
      DOuble Rotation NMRの略。半整数スピンを有する四極子核の固体NMRにおいて、高分解能スペクトルを得るための方法のひとつ。試料の回転軸を外部磁場に対して2重に設定する必要があり、専用の特殊なプローブを必要とする。回転軸は一般的なマジック角(54.7度)と、2次の四極子相互作用を消去する角度(30.56度)で、これらの軸をに対して同時に試料を回転させて測定する。
    • DOSY

      読み
      DOSY
      カテゴリ
      測定法
      英語
      DOSY
      説明
      Diffusion Ordered SpectroscopYの略。自己拡散係数配列スペクトル。混合物に由来するNMRスペクトルを(二次元展開して)各成分ごとに分離する。信号の分離に使用されるのは溶液中における自己拡散係数。自己拡散係数の違いによって異なる信号強度の減衰を、逆ラプラス変換により自己拡散係数軸に変換し、各成分の信号を自己拡散係数軸上で分離する。一般に分子体積の大きなものほど自己拡散係数が小さいため、分子サイズの見積りに利用される場合もある。
    • DQD

      読み
      DQD
      カテゴリ
      装置
      英語
      DQD
      説明
      Direct Quadrature Detectionの略。QD検波の場合はアナログ信号の段階で90度位相をずらした2つのチャンネルを受信するが、DQDの場合はデジタル信号の位相を90度ずらしたデータセットを作成する。オリジナルのデータセットは1つしか無いため、RealとImaginaryのバランスが崩れる可能性が無く、QDイメージは原理的に現れない。しかし、データ量はQD検波の1/2となるため、情報量が少なく、S/Nなどでも損をすることになる。最近はあまり使われなくなった。
    • DQF-COSY

      読み
      DQF-COSY
      カテゴリ
      測定法
      英語
      DQF-COSY
      説明
      Double Quantum Filtered COrrelation SpectroscopYの略。2量子フィルター付き同種核シフト相関2次元NMRのこと。得られる情報は基本的にCOSYと同じだが、2量子遷移以上のみを選択するため、カップリングの無いシングレット由来の1量子遷移は除かれる。このため溶媒信号などによる解析の妨害を防ぐことができる。
    • DSS

      読み
      DSS
      カテゴリ
      測定法
      英語
      DSS
      説明
      4,4-dimethyl-4-silapentane-1-sulfonic acidの略。3-(trimethylsilyl)-1-propanesulfonic acid。TSPのスルホン酸バージョン。1H-NMRにおける化学シフト基準(ナトリウム塩)。溶媒に水を使用している場合に使用する。トリメチルシリル基のメチル水素に由来する信号を0 ppmとする。メチレン基は重水素化されている。
    • Duty cycle

      読み
      Duty cycle
      カテゴリ
      装置
      英語
      duty cycle
      説明
      デューティー比。ある期間における特定の現象の占有率。NMR業界においては積算の繰り返し時間内において出力されるパルス列のトータル時間の割合をいう。最大強度の出力におけるデューティー比の限界が装置限界として示される場合がある。繰り返し時間が1秒で、10ミリ秒のRF照射が出力されるならば、デューティー比は1%となる。デューティー比が大きすぎる場合、パワーアンプのオーバーヒートや、コイルの発熱や放電、断線の原因となる。
  • E

    • EB

      読み
      EB
      カテゴリ
      装置
      英語
      EB
      説明
      ethylbenzeneの略。感度標準物質として使用される。0.1%のCDCl3溶液は1Hの感度規定、10%のCDCl3溶液は13Cの感度規定用に用いられる。装置に付属していることが多いが、ethylbenzeneは極めて緩和時間が長いため、各種NMR実験のテスト試料としての利用には適さない。
    • ERETIC

      読み
      ERETIC
      カテゴリ
      測定法
      英語
      ERETIC
      説明
      Electronic REference To access In vivo Concentrationsの略。qNMRの一種。人工的に挿入される電気信号を基準として試料の濃度を定量する方法。基準物質を必要としない特長があるが、電気信号を挿入する仕組みが必要。また定量精度が電気回路の精度に依存するため、注意が必要。
    • EXSY

      読み
      EXSY
      カテゴリ
      測定法
      英語
      EXSY
      説明
      EXchange SpectroscopYの略。NOESYの別名。パルスシーケンスとしては全く同じもの。NOESY測定では、化学交換している1H同士にも相関信号が現れるため、測定の目的が化学交換の検出である場合には、混乱を防ぐためにEXSYと呼ぶ場合がある。
  • F

    • FGシム

      読み
      FGしむ
      カテゴリ
      装置
      英語
      field gradient shim
      説明
      Field Gradientシムの略。グラジエントシムの別称。グラジエントシムを参照。
    • FID

      読み
      FID
      カテゴリ
      原理
      英語
      free induction decay
      説明
      Free Induction Decayの略。自由誘導減衰。NMR測定によって得られる直接観測軸の時間軸データ。
    • FSQD

      読み
      FSQD
      カテゴリ
      装置
      英語
      FSQD
      説明
      Frequency Shifted Quadrature Detectionの略。QD検波とデジタルフィルタの組み合わせで、取得されるデータの中心周波数を得たいスペクトルの外側に設定する手法。たとえQDイメージが発生したとしても、スペクトルの外に現れるため、スペクトル解析を妨害する心配が無い。
    • FSY

      読み
      FSY
      カテゴリ
      装置
      英語
      FSY
      説明
      Frequency Synthesizerの略。周波数発信器。キャリア周波数を生成する。
    • FT

      読み
      FT
      カテゴリ
      原理
      英語
      Fourier transform
      説明
      Fourier Transformの略。フーリエ変換。時間軸データを周波数軸データに変換する。パルス-フーリエ変換型NMRにおいては、測定によって得られる時間軸データ(FID、インターフェログラム)を周波数軸データに変換する。
    • FTNMR

      読み
      FTNMR
      カテゴリ
      装置
      英語
      Fourier transform NMR
      説明
      Fourier Transform NMRの略。パルス-フーリエ変換型NMR装置。ラジオ波パルスを用いて核磁気共鳴吸収現象を起こし、緩和過程に放出されるラジオ波を観測するNMR装置。積算やマルチパルス実験、多次元測定などが可能。現代の一般的なNMR装置
  • G

    • GARP

      読み
      GARP
      カテゴリ
      測定法
      英語
      GARP
      説明
      Globally optimized Alternating phase Rectangular Pulseの略。コンポジットパルス列の一種。WALTZよりも広い範囲をデカップリングできる。拡張率FOMは4.8である。JMR,64,547(1985)
    • GPC-NMR

      読み
      GPC-NMR
      カテゴリ
      装置
      英語
      GPC-NMR
      説明
      ハイフネーテッド技術の応用装置。GPCとNMRを接続し、GPCの溶出液をフローセルタイプのプローブを搭載したNMRで直接検出する。
  • H

    • H2BC

      読み
      H2BC
      カテゴリ
      測定法
      英語
      H2BC
      説明
      Hetero nuclear 2 Bond Connectivityの略。COSYの原理とHMQCの原理を組み合わせた測定法で、2結合を介した1Hと13Cの相関を得ることができる。HMBCでは1Hと13Cの相関が2結合であるのか、3結合であるのかを判別することができないが、H2BC測定により判別が可能となる。
    • HETCOR

      読み
      HETCOR
      カテゴリ
      測定法
      英語
      HETCOR
      説明
      HETeronuclear CORrelationの略。異種核シフト相関2次元NMRのこと。CH-COSYともいう。直接結合した異種核(通常は1Hと13C)の間に相関信号が現れる。直接観測するのが13Cであるため感度が低く、最近の装置ではあまり測定しない。
    • HF

      読み
      HF
      カテゴリ
      装置
      英語
      high frequency
      説明
      相対的に高い周波数のこと。共鳴周波数の高い核は、1Hと19Fしかない(通常は測定対象とならないヘリウムとトリウムおよびトリチウムを除けば)ため、HF核と言えば1Hと19Fのことを指す。
    • HMBC

      読み
      HMBC
      カテゴリ
      測定法
      英語
      HMBC
      説明
      Hetero-nuclear Multiple Bond Connectivityの略。異種核間遠隔シフト相関2次元NMRのこと。2結合ないしは3結合を介した異種核(通常は1Hと13C)の間に相関信号が現れる。得られる情報はCOLOCと同じだが、直接観測するのが1Hであるため、COLOCよりも感度が高い。直接観測核と間接観測核の関係が旧来のCOLOCと逆であるため、インバース測定と呼ばれる。古い時代のNMR装置では、12Cと結合した1Hに由来する不要な信号を完全に消去するのが難しかったが、PFGの利用によりコヒーレンス選択が容易になり、一般的に利用されるようになった。
    • HMQC

      読み
      HMQC
      カテゴリ
      測定法
      英語
      HMQC
      説明
      Hetero-nuclear Multiple Quantum Coherenceの略。異種核多量子コヒーレンス2次元NMR法。直接結合した異種核(通常は1Hと13C)の間に相関信号が現れる。得られる情報はHETCORと同じだが、直接観測するのが1Hであるため、HETCORよりも感度が高い。直接観測核と間接観測核の関係が旧来のHETCORと逆であるため、インバース測定と呼ばれる。古い時代のNMR装置では、12Cと結合した1Hに由来する不要な信号を完全に消去するのが難しかったが、PFGの利用によりコヒーレンス選択が容易になり、一般的に利用されるようになった。同様の情報を与えるHSQCと比較して使用されるパルスが少なく、絶対値モードで測定されるため HSQCよりも分解能が悪いが、より短時間で測定できる。
    • HOHAHA

      読み
      HOHAHA
      カテゴリ
      測定法
      英語
      HOHAHA
      説明
      Homo-nuclear HArtmann-HAhn spectroscopyの略。同種核間ハルトマン・ハーン相関2次元NMR。TOCSYの古い呼び方。TOCSYを参照。
    • HPF

      読み
      HPF
      カテゴリ
      装置
      英語
      HPF
      説明
      High Pass Filterの略。ハイパスフィルタを参照。
    • HSD

      読み
      HSD
      カテゴリ
      測定法
      英語
      HSD
      説明
      Homo Spin Decouplingの略。特定の信号に対してRF照射し、カップリング相手の信号がデカップリングされることによりスピン結合を特定する手法。観測期に同種核の照射をする必要があるため、照射パワーが検出回路に入り込まないための工夫が必要。これをタイムシェアリングデカップリングという。現在はCOSY測定によりカップリング相手の信号の特定が容易いため、使用される機会が減っているが、1次元の高分解能が求められる場合には依然として重要
    • HSQC

      読み
      HSQC
      カテゴリ
      測定法
      英語
      HSQC
      説明
      Hetero-nuclear Single Quantum Coherenceの略。異種核1量子コヒーレンス2次元NMR法。直接結合した異種核(通常は1Hと13C)の間に相関信号が現れる。得られる情報はHETCORと同じだが、直接観測するのが1Hであるため、HETCORよりも感度が高い。直接観測核と間接観測核の関係が旧来のHETCORと逆であるため、インバース測定と呼ばれる。古い時代のNMR装置では、12Cと結合した1Hに由来する不要な信号を完全に消去するのが難しかったが、PFGの利用によりコヒーレンス選択が容易になり、一般的に利用されるようになった。同様の情報を与えるHMQCと比較して使用されるパルスが多く、パルスの精度が悪い場合に感度低下を起こしやすいが、より高分解能な結果を与える。HSQCは分解能を要求されるため、通常は位相検波され、測定時間がHMQCより長くなる。
    • HTS

      読み
      HTS
      カテゴリ
      装置
      英語
      HTS
      説明
      High Temperature Superconductorの略。高温超伝導体。超伝導を維持するためには、磁場・電流密度・温度の3つの限界があり、従来の金属系超伝導体を用いたSCMの限界は1GHz(23.5T)程度。これ以上の高磁場SCMには、高温超伝導体を利用することにより限界を引き上げる必要がある。
    • HYPERCOMPLEX

      読み
      Hypercomplex
      カテゴリ
      装置
      英語
      hypercomplex
      説明
      多次元NMRにおける二相検波データのこと。リアルデータ平面(real plane)とイマジナリデータ平面(imaginaly plane)から構成される。各データ平面はそれぞれ一連のcomplex FIDとして構成される。
  • I

    • IF

      読み
      IF
      カテゴリ
      装置
      英語
      intermediate frequency
      説明
      Intermediate Frequencyの略。中間周波数。NMR分光計は最終的にRFを出力および受信するが、実際に観測される信号の範囲は±数百kHz程度以内であるため、RFをそのまま取り扱うのは無駄が多い。そこで一般には、細かい制御は10MHz以下のIFとして取り扱い、出力時に数百MHzのキャリア周波数と合成する方式をとっている。
    • IGD

      読み
      IGD
      カテゴリ
      測定法
      英語
      IGD
      説明
      Inverse Gated Decouplingの略。逆ゲート付きデカップリングのこと。逆ゲート付きデカップリングを参照。
    • ILT

      読み
      ILT
      カテゴリ
      原理
      英語
      ILT
      説明
      Inverse Laplace Transformの略。逆ラプラス変換のこと。逆ラプラス変換を参照。
    • Imaginaryデータ

      読み
      Imaginaryでーた
      カテゴリ
      装置
      英語
      imaginary data
      説明
      虚データ。QD検波における分散波形成分のスペクトル。
    • IMD

      読み
      IMD
      カテゴリ
      装置
      英語
      IMD
      説明
      Intermodulation Distortionの略。相互変調歪。異なる周波数の信号が2つ以上あるとき、受信信号の歪みによって周波数の和や差の組み合わせによる周波数に合成された信号が生じる。スペクトル解析の障害になる不要なアーティファクトであり、十分に低減されていなければならない。
    • INADEQUATE

      読み
      INADEQUATE
      カテゴリ
      測定法
      英語
      INADEQUATE
      説明
      Incredible Natural Abundance DoublE QUAntum Transfer Experimentの略。隣り合う13C同士の相関信号を観測する手法。炭素原子の連結を明らかにすることは、分子構造の基本骨格を明らかにすることと同義であるため、非常に強力な分析法である。しかし、天然存在比の13Cは約1%であり、分子内で13Cの隣に13Cが存在する確率は1万分の1になるため、信号を得るのは容易ではなく、13Cの濃度を高めた試料を用意する必要があった。信号を得るためには、長大な測定時間を要するが、近年の高感度化によって現実味を帯びてきている。しかしながら、一般的な装置構成では依然として非現実的である。inadequateとは「不十分な」、「不適切な」、「不適当な」、「無力な」を意味する形容詞であり、大変皮肉な測定名である。
    • INEPT

      読み
      INEPT
      カテゴリ
      測定法
      英語
      INEPT
      説明
      Insensitive Nuclei Enhanced by Polarization Transferの略。1Hからの磁化移動により、低感度核種の信号強度を増強する測定手法。INEPTのパルス列は多くのパルスシーケンスにおいて内部的な磁化移動手法に利用されている。得られる信号が分散波形になるため、単独で利用されることは少ない。
    • Inversion Recovery

      読み
      Inversion Recovery
      カテゴリ
      測定法
      英語
      Inversion Recovery
      説明
      反転回復法のこと。反転回復法を参照。
  • J

    • JEOL

      読み
      JEOL
      カテゴリ
      その他
      英語
      Japan Electron Optics Laboratory
      説明
      Japan Electron Optics Laboratoryの略。日本電子株式会社の前身である日本電子光学研究所に由来。
    • J値

      読み
      Jち
      カテゴリ
      原理
      英語
      J-value
      説明
      スピン結合定数を参照。
    • J分解

      読み
      Jぶんかい
      カテゴリ
      測定法
      英語
      J-resolved
      説明
      J-resolved spectroscopy。Jレゾ。最も原始的な2次元測定法のひとつ。スピンエコーによってスピンスピンカップリングの情報を間接観測軸に取り出す。X軸の投影は通常の1次元スペクトル、Y軸の投影は各信号のカップリングによる分裂(Hz)になる。各信号はY軸上にJの分だけずれて現れるため、それぞれの信号は斜めに現れる。これをチルト処理によってスペクトル全体を傾けると、各信号がY軸上に揃うことになり、チルト後のX軸への投影は、カップリングによる分裂を除去したスペクトルになる。
  • L

    • LB

      読み
      LB
      カテゴリ
      原理
      英語
      line broadening factor
      説明
      Line Broadening factorの略。線幅広幅化因子。BFを参照。
    • LC-NMR

      読み
      LC-NMR
      カテゴリ
      装置
      英語
      LC-NMR
      説明
      ハイフネーテッド技術の応用装置。HPLCとNMRを接続し、HPLCの溶出液をフローセルタイプのプローブを搭載したNMRで直接検出する。一般には装置間の感度差と重溶媒のコストや分解能などの問題が大きく、汎用性に乏しい。
    • LC-NMR-MS

      読み
      LC-NMR-MS
      カテゴリ
      装置
      英語
      LC-NMR-MS
      説明
      ハイフネーテッド技術の応用装置。HPLCとNMRとMSを接続し、HPLCの溶出液をフローセルタイプのプローブを搭載したNMRおよび質量分析(Mass Spectrometry)装置で直接検出する。MSは破壊分析なので、HPLCとNMRの間に置くことはできないが、非破壊分析のNMRを通り抜けた試料をそのままMSで測るタイプの直列型か、もしくはHPLCの後ろを分岐させる並列型の2通りがある。一般には装置間の感度差と重溶媒の問題が大きく、汎用性に乏しい。
    • LF

      読み
      LF
      カテゴリ
      装置
      英語
      low frequency
      説明
      相対的に低い周波数のこと。LF核と言えば1Hと19F以外の核を指す。(ただし通常は測定対象とならないヘリウムとトリウムおよびトリチウムは除く)
    • LP

      読み
      LP
      カテゴリ
      原理
      英語
      LP
      説明
      Linear Predictionの略。線形予測。FIDやインターフェログラムの波形をもとに、後方に続く波形を予測して追加する。これにより、デジタル分解能の向上が期待できる。一般には多次元NMRのインターフェログラムに対して使用すると効果的。
    • LPF

      読み
      LPF
      カテゴリ
      装置
      英語
      LPF
      説明
      Low Pass Filterの略。ローパスフィルタを参照。
  • M

    • MAS

      読み
      MAS
      カテゴリ
      装置
      英語
      MAS
      説明
      Magic Angle Spinning。マジック角回転を参照。
    • MICCS

      読み
      MICCS
      カテゴリ
      装置
      英語
      MICCS
      説明
      MIcro Channeled Cell for Synthesis Monitoringの略。溶液NMRで均一系化学反応を直接観測することを目的とした装置。専用のマイクロリアクター(マイクロ化学チップ)を直接NMR装置に導入して利用する。反応の直接観測、反応中間体の捕捉など様々な利用法が考えられる。
    • MLEV

      読み
      MLEV
      カテゴリ
      測定法
      英語
      MLEV
      説明
      Malcolm LEVitt’s CPD sequenceの略。コンポジットパルス列の一種。広帯域デカップリングや広帯域スピンロッキングに有効なパルスの組み合わせ。他のコンポジットパルス列と組み合わせて使用される。JMR,43,502(1981)
    • MPF

      読み
      MPF
      カテゴリ
      測定法
      英語
      MPF
      説明
      コンポジットパルス列の一種。周波数スイッチングを利用し、非常に広い帯域を持つ。JMR,A104,103(1993)
    • MQMAS

      読み
      MQMAS
      カテゴリ
      測定法
      英語
      MQMAS
      説明
      Multiple Quantum Magic Angle Spininngの略。半整数スピンを有する四極子核の固体NMRにおいて、等方スペクトルや各ピークの真の化学シフト、四極子相互作用の大きさ、非対称パラメータなどを求めるために用いられる2次元測定法。多量子遷移を観測するため、対象となる遷移によって3Q-MAS(3量子遷移)や5Q-MAS(5量子遷移)等といった表記をする場合もある。
    • MRI

      読み
      MRI
      カテゴリ
      装置
      英語
      MRI
      説明
      Magnetic Resonance Imagingの略。核磁気共鳴現象を利用したイメージング装置。医療用などイメージング専用装置を指してMRIと呼ぶ。医療用装置は高分解能NMRとは求められる性能がまったく異なる。Autopsy imagingが未来を拓く。実験用の高分解能イメージングの場合はNMRの機能の一部とみなされる。
  • N

    • NMR

      読み
      NMR
      カテゴリ
      原理
      英語
      nuclear magnetic resonance
      説明
      Nuclear Magnetic Resonanceの略。核磁気共鳴吸収。原子核が磁場中においてラジオ波を吸収する共鳴現象。
    • NMRロック

      読み
      NMRろっく
      カテゴリ
      装置
      英語
      NMR lock
      説明
      NMR用の超伝導磁石によって作られる磁場は一定の速度でドリフトしているため、磁場強度が徐々に減衰していく。磁場が減衰すれば信号の共鳴周波数も同時に変化するため、長時間の積算では信号が広がってしまう。これを防ぐために特定のNMR信号を参照して磁場の変化を補正することをNMRロックという。一般には溶媒の重水素信号を利用するため、重水素ロックまたはD-ロックなどと呼ぶ場合もある。
    • NoD NMR

      読み
      NoD NMR
      カテゴリ
      測定法
      英語
      NoD NMR
      説明
      重水素化溶媒を使用しないNMR測定法。溶媒が重水素化されていない場合、溶媒の水素由来の巨大な信号が観測されることにより、観測対象の溶質物質の信号が相対的に非常に小さくなり、観測が難しくなる。このため、何らかのパルステクニックにより溶媒信号を消去する。溶媒信号の消去は特別目新しいものではないが、これ以外に分解能調整、化学シフト補正などを全て全自動でおこなう仕組みがNoD NMRである。
    • NOE

      読み
      NOE
      カテゴリ
      原理
      英語
      NOE
      説明
      Nuclear Overhauser Effectの略。核オーバーハウザー効果のこと。核オーバーハウザー効果を参照。
    • NOESY

      読み
      NOESY
      カテゴリ
      測定法
      英語
      NOESY
      説明
      Nuclear Overhauser Effect SpectroscopYの略。同種核NOE相関2次元NMRのこと。空間的に近い(NOE相互作用のある)1H同士の間に相関信号が現れる。一般にNOE相互作用は6Å以内の距離にある1H同士にあるため、相互作用の強さ(相関信号の強度)から、空間的な距離の情報を得ることができる。化学交換している1H同士の間にも相関信号が現れるが、これを目的とする場合はEXSYと呼ばれることもある。スペクトル中にはCOSY相関も同時に現れるため注意が必要。またNOEは緩和現象であるため、常磁性物質である溶存酸素などの影響を受けやすい。
  • O

    • Offset

      読み
      Offset
      カテゴリ
      原理
      英語
      offset
      説明
      オフセット。NMR測定においては、観測中心として使用される用語であることが多い。オフセットは直訳すると「補正値」であり、中心という言葉とは矛盾するが、これは観測中心が基準周波数とは異なることに由来する。つまり、観測中心の基準周波数からのずれを相殺するために使用されるパラメータであることを意味している。
  • P

    • PFG

      読み
      PFG
      カテゴリ
      原理
      英語
      pulsed field gradient
      説明
      Pulsed Field Gradientの略。勾配磁場パルス。試料空間に対して特定方向の勾配をもった磁場をパルス状に発生させることにより、様々な効果を期待できる。主な使用目的としては、コヒーレンス選択、空間的な位置の特定、磁化の消去など。
    • Points

      読み
      Points
      カテゴリ
      原理
      英語
      points
      説明
      信号をデジタル化する際に取り込むデータ点の数。
    • Presaturation

      読み
      Presaturation
      カテゴリ
      測定法
      英語
      Presaturation
      説明
      事前飽和法。溶媒信号の消去などの目的で古くから使用されている手法。特定周波数のRFを事前に弱いパワーで長時間照射することにより、その周波数で共鳴する1H磁化を飽和させる。これによりその磁化の信号は観測されなくなる。選択性は高いが、飽和に至った1Hが交換性である場合、そのHと交換している信号も同時に消去される。
    • PST/MAS

      読み
      PSTMAS
      カテゴリ
      測定法
      英語
      PST/MAS
      説明
      Pulse Saturation Transfer Magic Angle Spinningの略。固体NMRにおいて、運動性の高い部分を強調して観測する手法。1Hを飽和させ、飽和移動により運動性の高い13Cの信号が増幅される。
    • PULCON

      読み
      PULCON
      カテゴリ
      測定法
      英語
      PULCON
      説明
      PUlse Length-based CONcentration measurementの略。qNMRの一種。基準物質と測定試料を個別に測定して信号の面積を比較する定量手法。NMR装置の安定性と再現性を前提とした定量法であるため、定量精度はNMR装置及び試料の性質の影響を受ける。
  • Q

    • QDイメージ

      読み
      QDいめーじ
      カテゴリ
      装置
      英語
      QD image
      説明
      直交検波の際、チャンネルの入力強度のバランスが一致していない場合、観測中心に対して対称の位置に現れるイメージ信号。装置が正しく調整されていれば、目に見えないレベルまで抑えられる。旧来の測定法では、観測中心がスペクトルの中央に設定されるため、高分子の主鎖などのように非常に大きな信号があると、QDイメージが問題となる場合があった。
    • qNMR

      読み
      qNMR
      カテゴリ
      測定法
      英語
      qNMR
      説明
      quantitative NMRの略。定量NMR。NMRによって化合物の定量をおこなうための手法の総称。
    • qNMR(内標方式)

      読み
      qNMRないひょうほうしき
      カテゴリ
      測定法
      英語
      qNMR internal standard method
      説明
      qNMRの一種。内部標準方式は、定量基準物質を測定対象試料とともに正確に秤量して信号の強度比較をおこなうことで定量する。装置や試料環境などの影響を受けず、原理的に阻害要因が少ないため、最も定量精度が高い。その反面、基準物質と試料を混合するため、試料の回収が難しい。
  • R

    • Realデータ

      読み
      Realでーた
      カテゴリ
      装置
      英語
      real data
      説明
      実データ。QD検波における吸収波形成分のスペクトル。
    • RF

      読み
      RF
      カテゴリ
      装置
      英語
      radio frequency
      説明
      ラジオ波、高周波。300Hz〜3THzの周波数を持つ電磁波。NMRで使用されるのは数MHz〜1GHz程度の範囲。
    • ROESY

      読み
      ROESY
      カテゴリ
      測定法
      英語
      ROESY
      説明
      Rotating frame nuclear Overhauser Effect SpectroscopYの略。同種核間ROE相関2次元NMRのこと。空間的に近い(NOE相互作用のある)1H同士の間に相関信号が現れる。一般にNOE相互作用は6Å以内の距離にある1H同士にあるため、相互作用の強さ(相関信号の強度)から、空間的な距離の情報を得ることができる。
    • ROSY

      読み
      ROSY
      カテゴリ
      測定法
      英語
      ROSY
      説明
      Relaxation Ordered SpectroscopYの略。緩和時間配列スペクトル。混合物に由来するNMRスペクトルを各成分ごとに分離する。信号の分離に使用されるのは固体結晶中における1Hの緩和時間。緩和時間の違いによって異なる信号強度の減衰を、逆ラプラス変換により緩和時間軸に変換し、各信号を緩和時間軸上で分離する。一般的な速度のMAS下にある固体NMRにおいては、1Hの緩和時間が強い双極子相互作用によって結晶内で均一になるため、固体混合物を各成分に分離することが可能となる。
  • S

    • Saturation Recovery

      読み
      Saturation Recovery
      カテゴリ
      測定法
      英語
      Saturation Recovery
      説明
      飽和回復法のこと。飽和回復法を参照。
    • Sawtooth

      読み
      Sawtooth
      カテゴリ
      装置
      英語
      Sawtooth
      説明
      ソートゥース。周波数掃引により観測されるNMRロック信号のこと。重水素信号がノコギリ歯状に現れることから、こう呼ばれる。
    • SCM

      読み
      SCM
      カテゴリ
      装置
      英語
      superconducting magnet
      説明
      SuperConducting Magnetの略。超伝導磁石。一般には超伝導磁石そのものだけでなく、超伝導磁石を搭載したクライオスタットを含めた磁石の構成全体を指す。一般には、超伝導のメインコイルとそれが入った液体ヘリウム槽、液体ヘリウムの蒸発を抑えるための液体窒素槽、それら及び外部との断熱のための高真空層とからなる。
    • SHIGEMIセル

      読み
      しげみせる
      カテゴリ
      装置
      英語
      SHIGEMI cell
      説明
      SHIGEMI社が製造販売する磁化率補正硝子を使用した対称型ミクロ試料管。均一な磁場中で試料を観測するNMRでは、磁化率の異なる物質の界面で磁場が乱れるため、検出コイルの観測領域内に界面があることは望ましくない。SHIGEMIセルは磁化率補正硝子を使用することにより界面での磁場の乱れを抑え、分解能を大幅に低下させることなく、試料の液量を減らすことができる。結果として試料の濃縮が可能なため、微量試料や、貴重な試料を測定する際に有効。水用、DMSO用、クロロホルム用、メタノール用の4種類がある。
    • SHR法

      読み
      SHRほう
      カテゴリ
      原理
      英語
      States-Harberkorn-Ruben method
      説明
      2次元データのデータセットを取得する際、各yポイントごとに1次元NMRと同様に90度位相をずらした2つのデータセット(HYPERCOMPLEX)としそれぞれて保存する方式。States, Harberkorn, Rubenらによって得られた方法であることから、SHR法もしくはStates法と呼ばれる。
    • SLP

      読み
      SLP
      カテゴリ
      原理
      英語
      SLP
      説明
      Shifted Laminar Pulseの略。シフトラミナーパルスのこと。シフトラミナーパルスを参照。
    • SNIF-NMR

      読み
      SNIF-NMR
      カテゴリ
      測定法
      英語
      SNIF-NMR
      説明
      Site-specific Natural Isotope Fractionation Nuclear Magnetic Resonanceの略。地球上では地域によって同位体の存在比が異なる場合がある。例えば、水素原子における1Hと2Hの同位体存在比が地域によって異なるため、農産物などの原産地特定に存在比率の違いを利用することができる。重水素NMRのスペクトルが利用されることが多い。においを嗅いでいる(sniffing)わけではない。
    • SN比

      読み
      SNひ
      カテゴリ
      -
      英語
      signal to noise ratio
      説明
      S/N、SNRともいう。信号強度とノイズ強度の比。計算方法は種々ある。
    • SSB

      読み
      SSB
      カテゴリ
      原理
      英語
      SSB
      説明
      Spinning SideBandsの略。溶液NMRの場合、主にXY平面の磁場の不均一性が原因で現れ、試料回転時に各信号を中心として、回転周波数と同じ周波数だけ離れた位置に現れる不要なサイドシグナル。不均一性が著しい場合、2次、3次のサイドシグナルが現れることもある。固体NMRの場合、MAS回転速度が本来の信号幅(異方性化学シフトの広がり)よりも遅い場合に、等方性化学シフトの信号を中心として、MAS回転周波数の整数倍離れた位置に現れる。
    • STD

      読み
      STD
      カテゴリ
      測定法
      英語
      STD
      説明
      Saturation Transfer Differenceの略。分子間相互作用を検出するための測定法のひとつ。RF照射によって特定の1Hを飽和させ、非照射のスペクトルと差をとることにより、飽和移動によって信号強度の変化した信号を特定する。一般には、タンパク質とリガンド分子の相互作用を検出する目的で使用され。タンパク質の特定の1Hを飽和させることにより、タンパク質のレセプターに結合したリガンド分子が特定される。実際に検出されるのはフリーのリガンド分子だが、結合状態と平衡にあるために信号強度が変化する。これとは逆に、飽和させる対象をリガンドにすることで、タンパク質のレセプター部位を特定する場合もある。
    • STMAS

      読み
      STMAS
      カテゴリ
      測定法
      英語
      STMAS
      説明
      Satellite Transition Magic Angle Spinningの略。半整数スピンを有する四極子核の固体NMRにおいて、多量子遷移を利用するMQ-MASの問題点(低感度)を解決するため、単量子のサテライト遷移を利用した測定法。MQ-MASと比較して3〜5倍の感度向上が期待できるが、厳密な回転速度制御(数Hzレベル)と精密なマジック角調整(1/1000度レベル)が要求されるため、専用のプローブを必要とする。
    • Sweep

      読み
      Sweep
      カテゴリ
      原理
      英語
      sweep
      説明
      観測範囲のこと。NMR装置がCW(磁場掃引もしくは周波数掃引)だった時代の名残であり、掃引する化学シフト範囲を表している。
  • T

    • t1ノイズ

      読み
      t1のいず
      カテゴリ
      原理
      英語
      t1 noise
      説明
      2次元NMRにおいて、Y軸(t1軸)に沿って走るノイズ。Y軸のデータポイントを取得している期間における何らかの変動(ゆらぎ)によって発生する。
    • t1リッジ

      読み
      t1りっじ
      カテゴリ
      原理
      英語
      t1 ridge
      説明
      2次元NMRにおいて、Y軸(t1軸)に沿ってベースラインが盛り上がること。Y軸のフーリエ変換をした際に、ベースラインがゼロレベルにならない場合に発生する。
    • Time Sharing Decoupling

      読み
      Time Sharing Decoupling
      カテゴリ
      装置
      英語
      Time Sharing Decoupling
      説明
      タイムシェアリングデカップリング法。信号をサンプリングする際、サンプリングの間隔(dwell time)に照射をおこなう方法。サンプリング時には照射を停止することによって、受信回路に照射RFが漏れ込むのを防ぐ。dwell timeはサンプリング周波数に依存するため、オーバーサンプリングによって広い範囲を観測する場合に効率が低下する。その場合にはオーバーサンプリング比を低下させる必要が生じる。
    • TMS

      読み
      TMS
      カテゴリ
      測定法
      英語
      TMS
      説明
      tetramethylsilaneの略。1H-NMRにおける化学シフト基準。有機溶媒中では、TMSのメチル基に由来する信号を0 ppmとする。とても揮発性が高い液体なので、要冷蔵。
    • TOCSY

      読み
      TOCSY
      カテゴリ
      測定法
      英語
      TOCSY
      説明
      TOtally Correlated SpectroscopYの略。別名をHOHAHAとも言う。間接的にスピン結合している1H同士の相関信号が得られるため、J結合によるスピンネットワークを特定することができる。混合時間Tmの長さによって、より遠隔の間接スピン結合を相関信号として観測できる。
    • TOSS

      読み
      TOSS
      カテゴリ
      測定法
      英語
      TOSS
      説明
      TOtal Supression of Sidebandsの略。スピニングサイドバンド(SSB)を消去する測定法。連続的な180°パルスによってSSBの位相を変化させ、強度の総和がゼロになるように調整する。現在の固体NMR装置では十分な高速回転により、そもそもSSBが信号領域にかぶらないため、あまり使用されるメリットは無い。
    • trNOE

      読み
      trNOE
      カテゴリ
      測定法
      英語
      trNOE
      説明
      TRansferred Nuclear Overhauser Effectの略。転移NOE効果の略。分子間相互作用を検出するための測定法のひとつ。実際の測定は普通のNOESYである。NOE相関信号は分子運動が共鳴周波数よりも十分に遅い場合(高分子量の場合)正の強度を持った信号(負のNOE)として、分子運動が十分に速い場合(低分子量の場合)は負の強度を持った信号(正のNOE)として現れるため、タンパク質に結合したリガンド分子は正の信号、結合していない分子は負の信号として観測される。
    • TSP

      読み
      TSP
      カテゴリ
      測定法
      英語
      TSP
      説明
      trimethylsilyl propanoic acidの略。1H-NMRにおける化学シフト基準(ナトリウム塩)。溶媒に水を使用している場合に使用する。トリメチルシリル基のメチル水素に由来する信号を0 ppmとする。メチレン基は重水素化されている。最近は手に入りにくい。
  • V

    • VT

      読み
      VT
      カテゴリ
      装置
      英語
      variable temperature
      説明
      Variable Temperatureの略。温度可変機能。プローブの仕様によって異なるが、一般的なプローブでは−100℃から150℃程度を可変できるようになっている。
  • W

    • Water LOGSY

      読み
      Water LOGSY
      カテゴリ
      測定法
      英語
      Water LOGSY
      説明
      Water-Ligand Observation with Gradient SpectroscopYの略。分子間相互作用を検出するための測定法のひとつ。溶媒である水とのNOEを検出する。NOE相関信号は分子運動が共鳴周波数よりも十分に遅い場合(高分子量の場合)正の強度を持った信号(負のNOE)として、分子運動が十分に速い場合(低分子量の場合)は負の強度を持った信号(正のNOE)として現れるため、タンパク質に結合したリガンド分子は正の信号、結合していない分子は負の信号として観測される。
    • WATERGATE

      読み
      WATERGATE
      カテゴリ
      測定法
      英語
      WATERGATE
      説明
      WATER suppression by GrAdient-Tailored Excitationの略。溶媒信号消去法の1つ。スピンエコーと選択反転パルスと勾配磁場パルスを組み合わせた方法で、溶媒信号の領域を選択的に消去する。選択励起パルスには、シェイプパルスや、W5パルス系列を使用する。Presaturation法による溶媒消去は、交換性の1Hも同時に消えてしまうが、WATERGATEの場合は飽和現象を利用していないため交換性の1Hへの影響が無い。
    • WET

      読み
      WET
      カテゴリ
      測定法
      英語
      WET
      説明
      Water suppression Enhanced through T1 effectsの略。溶媒信号消去法の1つ。選択励起パルスと勾配磁場パルスを組み合わせた方法で、溶媒信号の領域を選択的に消去する。選択励起パルスにシフトラミナーパルスを使用することにより、複数の信号を同時に消去できるため、LC-NMRやNoD-NMRなどで使用される。
    • WURST

      読み
      WURST
      カテゴリ
      測定法
      英語
      WURST
      説明
      Wideband, Uniform Rate, and Smooth Truncationの略。断熱パルスの一種。ドイツ語でソーセージを意味する単語。CHIRPパルスと同じ仕組みだが、パルスの両端を減衰させてあり、パルスの形状がソーセージに似ていることが名前の由来。位相変調により、非常に広い帯域を持つ。Z軸上の反転パルス(180°パルス)として使用され、このパルスを使用したデカップリングをWURSTデカップリングと呼ぶ。
    • アーティファクト

      読み
      あーてぃふぁくと
      カテゴリ
      原理
      英語
      artifact
      説明
      本来の信号ではない、人工的な偽信号。測定試料に由来しない信号の総称。イメージ信号や2次元の不十分な位相回しに起因する信号などは、測定試料に由来するが、装置やパルスシーケンスによる操作によって現れるものであるため、アーティファクトと呼ぶことが多い。
    • アッテネータ

      読み
      あってねーた
      カテゴリ
      装置
      英語
      attenuator
      説明
      減衰器。RFの出力を減衰させるための電子回路。減衰量の単位はデシベル(dB)。出力を6[dB]減衰させると、出力電圧(電流) が1/2になり、パルス幅は2倍になる。
    • 位相検波モード

      読み
      いそうけんぱもーど
      カテゴリ
      原理
      英語
      phase sensitive mode
      説明
      2次元測定におけるデータ取得の方法。2次元測定では、間接観測軸としてインターフェログラムを取得するが、この時にリアルデータ平面とイマジナリデータ平面をそれぞれ取得(Hypercomplex)する測定法を位相検波モードという。位相検波モードで取得されたデータは、直接・間接の両観測軸の位相補正が可能であり、各ピークが両軸芳香に対して吸収波形となるため、信号の分離が良い。しかしながら、測定時間が絶対値モードの2倍となるため、NOESYなどのように巨大な対角ピークに対して微小な交差ピークに注目する場合や、信号が混み合っていてのピークの分離が重要な場合に利用される。
    • 位相補正

      読み
      いそうほせい
      カテゴリ
      原理
      英語
      phase correction
      説明
      直交検波においてフーリエ変換されたNMR信号は、位相の90度異なる2つの信号となるが、これらの混合バランス調整することによって、吸収波形と分散波形を得ることができる。スペクトルとして取り出すのはこれらのうち吸収波形の信号であり、バランスを調整する操作を位相補正と呼ぶ。
    • 位相回し

      読み
      いそうまわし
      カテゴリ
      原理
      英語
      phase cycle
      説明
      位相サイクリングともいう。パルスと受信器の位相を、信号の積算ごとに一定の法則に従って切り替え、不要な信号を取り除いて必用な信号を得るための方法。
    • インターフェログラム

      読み
      いんたーふぇろぐらむ
      カテゴリ
      装置
      英語
      Interferogram
      説明
      FT-NMRで信号を検出する場合、直接観測される周波数の合成波を自由誘導減衰(FID)と呼ぶが、多次元NMRで間接観測軸に現れる信号強度の変化をインターフェログラムと呼ぶ。
    • インバース測定

      読み
      いんばーすそくてい
      カテゴリ
      測定法
      英語
      inverse experiment
      説明
      旧来の異種核相関2次元測定は、13Cの信号を観測し、1Hを“間接的に”観測する方式が主流であった。このため、それとは逆に1Hの信号を観測し、13Cを“間接的に”観測する方式をインバース法と呼んでいた。NMR装置の進歩によりインバース法が容易に測定できるようになったため、現在ではむしろインバース測定が主流となっている。
    • ウインドウ関数

      読み
      ういんどうかんすう
      カテゴリ
      原理
      英語
      window function
      説明
      窓関数ともいう。時間軸データに対して特定の関数を掛け合わせることで、SN比の向上や分解能の向上などの効果を得ることができる。指数窓関数や、サイン窓関数、台形窓関数などがよく使用される。
    • 液体窒素再液化装置

      読み
      えきたいちっそさいえきかそうち
      カテゴリ
      装置
      英語
      nitrogen reliquefier
      説明
      気化した液体窒素を再液化する装置。液体窒素再凝縮装置を参照。
    • 液体窒素再凝縮装置

      読み
      えきたいちっそさいぎょうしゅくそうち
      カテゴリ
      装置
      英語
      nitrogen reliquefier
      説明
      気化した液体窒素を再液化する装置。SCMの液体窒素槽から蒸発する窒素ガスを冷凍機で再液化し、クライオスタットに戻すことにより、液体窒素の充填を不要とします。一般に液体窒素の充填作業は1〜2週間に1回おこなう必要があるため、ハッキリ言ってメンドクサイが、この装置を取り付けると、年に1度のメンテナンス程度でずっと運用できる。人的コストを考えればかなりの低コストになるが、それを考えない場合、電気代とメンテナンス費を考えると、安い液体窒素代とは見合わない。
    • 液体窒素製造装置

      読み
      えきたいちっそせいぞうそうち
      カテゴリ
      装置
      英語
      nitrogen liquefier
      説明
      大気中から取り出した窒素を液化する装置。溜めておいた液体窒素を定期的にNMR装置に充填してくれる機能を持つ。外部への汲み出しも可能なため使い勝手は良いが、2009年の高圧ガス保安法解釈変更により、高圧ガス製造設備として自治体への届け出が必要な装置になってしまった。ちなみに届け出と点検自体はそんなに大変ではない。
    • エルンスト角

      読み
      えるんすとかく
      カテゴリ
      原理
      英語
      Ernst angle
      説明
      最も積算効率が高くなるパルスフリップ角。パルス繰り返し時間をTr、試料の縦緩和時間をT1としたとき、COS θ = exp(−Tr/T1)を満たす θ 。
    • オーディオフィルタ

      読み
      おーでぃおふぃるた
      カテゴリ
      装置
      英語
      audio filter
      説明
      測定範囲外のノイズの折り返しによるS/Nの低下を防ぐため、特定領域の周波数範囲を切り抜くためのフィルタ。応答特性の違いにより、ベッセルフィルタ、バターワースフィルタなどの種類がある。
    • オーバーサンプリング

      読み
      おーばーさんぷりんぐ
      カテゴリ
      装置
      英語
      over sampling
      説明
      観測範囲とデータポイント数をそれぞれ数倍から数十倍することにより、デジタル化の精度を向上させ、量子化ノイズを低減させる手法。必要な観測範囲を切り抜くためにデジタルフィルタと組み合わせて使用される。結果としてベースラインの平坦化の効果もある。
    • 折り返し

      読み
      おりかえし
      カテゴリ
      原理
      英語
      aliasing
      説明
      ナイキスト周波数を越える周波数が、偽信号として観測されること。ある周波数だけスペクトルの外側にある信号が、位相の異なる折り返し信号として、反対側の端からその周波数だけ内側に観測される。例えば 0〜10 ppmを観測しているときに、実は12 ppmの信号が存在する場合、2 ppmの位置に位相の異なる信号が観測される。観測範囲に対して極端にはなれている場合は、何重にも折り返した信号が現れる場合もある。なお、オーバーサンプリングとデジタルフィルタを利用している場合は、観測範囲外に信号があったとしても、それがオーバーサンプリングされた範囲内であれば、折り返しが観測されることは無い。
    • カープラス式

      読み
      かーぷらすしき
      カテゴリ
      原理
      英語
      Karplus equation
      説明
      H-C-C-Hの3結合を介した1H-1Hのカップリング定数と、2つのH-C結合の二面角との相関を記述する経験則に基づいた式。J=Acos2Φ+BcosΦ+C で表されるが、A,B,Cは置換基に依存した経験的パラメータ。環構造や高次構造で結合回転が停止している場合に有用。
    • 化学シフト

      読み
      かがくしふと
      カテゴリ
      原理
      英語
      chemical shift
      説明
      NMRスペクトルにおける、各信号の周波数と化学シフト基準周波数との周波数差を化学シフト基準周波数で除したもので、単位はppm。一般にスペクトルを表記する際、低周波数側(高磁場側)が右に、高周波数側(低磁場側)が左になるように表記する。ここで言う周波数の高低とは、一定磁場下でその核が共鳴する周波数を示すが、周波数表記は一般的ではない。慣用的に磁場掃引方式だった時代に照らし、一定周波数の照射時にその核が共鳴する磁場を指して、高磁場側、低磁場側と表現するのが普通。1H NMRの場合、高磁場側で共鳴するものほど電子密度が高い傾向にある。
    • 核オーバーハウザー効果

      読み
      かくおーばーはうざーこうか
      カテゴリ
      原理
      英語
      nuclear Overhauser effect
      説明
      ある核スピンが緩和する過程で、磁気的に相互作用のある別のスピンのエネルギー準位に対して占有数を変化させる効果。空間的に近い原子核同士で現れる効果であるため、原子核同士の距離情報を得る目的で使用される。また磁気回転比の大きな原子核から磁気回転比の小さい原子核へ核オーバーハウザー効果を生じさせることで、低感度核種の感度を増強することができる。
    • 間接観測核

      読み
      かんせつかんそくかく
      カテゴリ
      原理
      英語
      indirect observation nuclear
      説明
      直接は受信器で観測されないが、多次元NMRで間接的に観測される核種。同種核2次元NMRの場合、直接観測核と間接観測核は同一であるが、異種核2次元NMRの場合はY軸(間接観測軸)上に間接的な信号として現れる。
    • 観測核

      読み
      かんそくかく
      カテゴリ
      原理
      英語
      observation nuclear
      説明
      観測される核種。
    • 観測中心

      読み
      かんそくちゅうしん
      カテゴリ
      原理
      英語
      observation offset
      説明
      原則として、パルスや受信器に設定された周波数のこと。フーリエ変換後はスペクトルの中央になる。
    • 観測範囲

      読み
      かんそくはんい
      カテゴリ
      原理
      英語
      observation sweep width
      説明
      フーリエ変換後のスペクトルの範囲。NMR信号を受信する際のサンプリング間隔で決まる。サンプリング間隔は観測範囲が広いほど短く、狭いほど長くなる(サンプリング定理を参照)。Sweep width(掃引幅)とも呼ばれるが、これはNMR装置がCW(磁場掃引もしくは周波数掃引)だった時代の名残であり、掃引する化学シフト範囲を表している。
    • ガンマ比

      読み
      がんまひ
      カテゴリ
      原理
      英語
      gyromagnetic ratio
      説明
      磁気回転比を参照。
    • 緩和

      読み
      かんわ
      カテゴリ
      原理
      英語
      relaxation
      説明
      NMRにおいて、原子核がラジオ波を吸収して励起された状態から熱平衡状態に戻る過程。縦緩和、横緩和、四極子緩和、常磁性緩和など、様々な過程がある。
    • 緩和時間

      読み
      かんわじかん
      カテゴリ
      原理
      英語
      relaxation time
      説明
      緩和に要する時間、もしくは緩和に要する時間を表す時定数。一般に縦緩和時間(T1)や横緩和時間(T2)といった場合は、時定数を取り扱う。
    • 緩和試薬

      読み
      かんわしやく
      カテゴリ
      測定法
      英語
      relaxation reagent
      説明
      常磁性物質を少量添加することにより、観測対象核の緩和時間を短くするための試薬。29Siなどの緩和時間が極端に長い試料を測定する場合、積算効率を高めるために使用する。過剰な使用は信号の線形を著しく悪化させることがあるため注意が必要。
    • 逆ゲート付きデカップリング

      読み
      ぎゃくげーとつきでかっぷりんぐ
      カテゴリ
      測定法
      英語
      inverse gated decoupling
      説明
      13Cの測定において、1Hとのカップリングによる信号の分裂を発生させずに定量測定をおこなうための手法。具体的には、FID信号の観測期にのみ1Hに対してRF照射をおこなうことにより、1Hから13CへのNOEによる信号強度の増幅を発生させず、定量性を保つ。古い日本電子製の装置ではNNE(No-NOE)と呼んだ。通常の13C観測ではパルス繰り返し待ち時間にも1HへのRF照射をおこなうため、COMplete decouplingやBi-level CoMplete decoupling(COM、もしくはBCM)と呼んだ。1Hへの照射のパターンがゲート付きデカップリングの逆になる。
    • 逆ラプラス変換

      読み
      ぎゃくらぷらすへんかん
      カテゴリ
      原理
      英語
      Inverse Laplace Transform
      説明
      関数変換の一種。フーリエ変換(時間関数を周波数関数に変換)の拡張型(数学的操作を含む)の逆変換。何らかの関数(DOSYやROSYにおいては信号の強度変化)を時間関数に変換する。DOSYやROSYで利用される。
    • クエンチ

      読み
      くえんち
      カテゴリ
      原理
      英語
      quench
      説明
      超伝導磁石が何らかの理由で超伝導状態を維持できなくなったとき、メインコイルを流れる大電流が熱に変換され、周囲の液体ヘリウムを一気に蒸発させる現象。蒸発した液体ヘリウムは安全弁を破って外部に放出されるため、窒息の危険を伴う。
    • クエンチダクト

      読み
      くえんちだくと
      カテゴリ
      装置
      英語
      quench duct
      説明
      クエンチが発生した際に、一挙に放出されるヘリウムガスが室内に充満することを防ぐため、外部(一般には屋外)へ放出するためのダクト。600MHz程度までの装置に取り付けることは稀だが、700MHz以上の超高磁場装置では、液体ヘリウムの使用量が多く、放出が予想されるヘリウムガスの体積が尋常でないので、クエンチダクトを取り付けることが多い。万一クエンチした際、火事などと勘違いされて通報されると困るので、ダクトの放出口の設置位置は一般市民の目に触れないようにした方がよい。
    • グラジエントシム

      読み
      ぐらじえんとしむ
      カテゴリ
      装置
      英語
      gradient shim
      説明
      分解能調整法の一種。観測領域の磁場の不均一性をNMR測定によって観測し、最適なシムの補正項を算出する。
    • 繰り返し時間

      読み
      くりかえしじかん
      カテゴリ
      原理
      英語
      repetition time
      説明
      積算をおこなう際に、1回の積算にかかる時間。パルス列は全体から見ると無視できるほど短いので、取り込み時間と待ち時間の合計と考えても良い。NMRで観測される磁化はこの間に緩和するので、緩和時間から積算効率を計算する場合には、この時間に注目する。
    • 軽溶媒

      読み
      けいようばい
      カテゴリ
      測定法
      英語
      non-deutirated solvent
      説明
      重水素化されていない溶媒のこと。普通の溶媒。
    • ゲート付きデカップリング

      読み
      げーとつきでかっぷりんぐ
      カテゴリ
      測定法
      英語
      gated decoupling
      説明
      13Cの測定において、1Hから13CへのNOEによる信号強度の増幅をともないつつ、1Hとのカップリングによる信号の分裂を発生させるための手法。具体的には、FID信号の観測期にのみ1Hに対してRF照射をしないことにより、準備期に1Hから13CへのNOEによる信号強度の増幅を発生させる。信号の分裂パターンにより13Cの級数を判別できるが、当該目的には現在ではDEPTが一般的に使用されるため、あまり使われることは無い。
    • 交差ピーク

      読み
      こうさぴーく
      カテゴリ
      原理
      英語
      cross peak
      説明
      多次元NMRにおける相関信号のこと。同種核2次元NMRにおいて対角線上(直接観測軸と間接観測軸で同一の化学シフト)に現れる信号は含まない。
    • 交差分極

      読み
      こうさぶんきょく
      カテゴリ
      測定法
      英語
      Cross Polarization
      説明
      分極移動ともいう。ある核種が持つ磁化を他の核種に移動させる方法。HartmannとHahnによって発見された現象で、固体NMRの高感度化に用いられる。例えば13Cの観測においては、感度の高い1Hの磁化を感度の低い13Cに移動させる。実際にはγH•B1H = γC•B1Cとなる条件(Hartmann-Hahn条件)でそれぞれの核にRFを照射し、スピンロックすることで実現する。
    • 極低温プローブ

      読み
      ごくていおんぷろーぶ
      カテゴリ
      装置
      英語
      cryogenic probe
      説明
      プローブに搭載された検出コイルおよびプリアンプを極低温に冷却することにより、熱ノイズを低減させ、SN比を向上させた特殊プローブ。一般に室温プローブの4倍以上の感度向上が期待される。
    • 混合時間

      読み
      こんごうじかん
      カテゴリ
      原理
      英語
      mixing time
      説明
      混合期(mixing period)とも。多次元NMRにおいて、展開期と展開期の間に配置される。NOESY測定などでは、混合時間がNOE相関信号の強度に大きく影響する。
    • コヒーレンス

      読み
      こひーれんす
      カテゴリ
      原理
      英語
      coherence
      説明
      可干渉。特定周波数の核の集団が同じスピン状態を持っていること。
    • 差NOE

      読み
      さNOE
      カテゴリ
      測定法
      英語
      difference NOE
      説明
      NOE相関のある(空間的に距離の近い)1Hの組み合わせを明らかにするための測定法のひとつ。RF照射により特定の1Hを飽和させ、非照射のスペクトルと差をとることにより、NOE相互作用による強度の増幅ないしは減衰が生じた信号を検出する。装置の安定性や精度が理想的な場合、原理的には信号強度の増減が起こらない(NOE相互作用の無い)信号は消失するが、残念ながら多少の消え残りはやむを得ない。このため近年は、より消え残りの生じない1D NOESY測定(NOESYの1次元版)を使用することが多い。
    • 差スペクトル

      読み
      さすぺくとる
      カテゴリ
      測定法
      英語
      differential spectrum
      説明
      あるスペクトルとその他のスペクトルの差分を計算し、変化量のみを可視化する。例えば差NOE測定では、特定の核とNOE相関のある信号は特定の核を選択照射して飽和させた際に強度が変化するため、照射したスペクトルと非照射のスペクトルの差をとって、NOEによる信号強度変化のみを可視化する。
    • サテライト信号

      読み
      さてらいとしんごう
      カテゴリ
      -
      英語
      satellite signal
      説明
      天然存在比の低い同位体とカップリングした信号。例えば炭素原子と結合した1Hの信号の1.1%は、1.1%含まれる13Cとのスピン結合により分裂するため、主信号の両サイドに0.55%の高さのサテライト信号が観測され、カーボンサテライトと呼ばれる。また、ケイ素に4.7%含まれる29Siとのカップリングにより現れるサテライト信号などはTMSのサイドシグナルとしてよく観測され、シリコンサテライトと呼ばれる。
    • 三重共鳴

      読み
      さんじゅうきょうめい
      カテゴリ
      原理
      英語
      triple resonance
      説明
      同時に3種類の周波数にパルスを照射する実験のこと。例えば、1Hと19Fをデカップリングしながら13Cを観測する測定や、1Hと13Cと15Nのパルスを組み合わせた測定などがこれに相当する。プローブを3種類の周波数に同時にチューニングする必要があるため、専用のプローブや特殊な装置構成が必要となる。
    • サンプリング間隔

      読み
      さんぷりんぐかんかく
      カテゴリ
      原理
      英語
      dwell time
      説明
      サンプリングされたデータ点の間隔。ドエルタイム。
    • サンプリング定理

      読み
      さんぷりんぐていり
      カテゴリ
      原理
      英語
      Sampling theorem
      説明
      標本化定理。ナイキスト定理、ナイキスト・シャノンの定理、シャノン・染谷の定理とも呼ばれる。特定の周波数の信号を取得しようとしたとき、その2倍より大きい周波数でサンプリングする必要があることを示した定理。
    • サンプリング周波数

      読み
      さんぷりんぐしゅうはすう
      カテゴリ
      原理
      英語
      Sampling frequency
      説明
      FIDをデジタル化して取得する際にサンプリングする速度。観測中心をゼロとして、スペクトルの両端までの周波数が最大周波数となるため、サンプリング定理に従えばその2倍の周波数でサンプリングする必要がある。例えば400 MHzの装置で1Hを10 ppmの範囲で観測しようとする場合、4 kHzの範囲を観測することになるが、中心から両端までの距離は±2 kHzであるため、サンプリング周波数はその2倍の4 kHzとなる。この時サンプリング間隔(dwell time)は0.25 msとなる。
    • サンプリングポイント数

      読み
      さんぷりんぐぽいんとすう
      カテゴリ
      原理
      英語
      sampling points
      説明
      信号をデジタル化する際に取り込むデータ点の数。
    • サンプルスピニング

      読み
      さんぷるすぴにんぐ
      カテゴリ
      原理
      英語
      sample spinning
      説明
      試料回転。1次元の溶液NMRの場合に、Z軸を中心に10Hz程度の速さで回転させることにより、XY方向の磁場の不均一性を平均化し、信号の線形を改善する。マルチパルス実験や、多次元NMRなどでは、回転による悪影響(感度低下やt1ノイズなど)を避けるため、サンプルスピニングをおこなわないことが望ましい。固体NMRにおける試料回転については、マジック角回転を参照のこと。
    • シェイプドパルス

      読み
      しぇいぷどぱるす
      カテゴリ
      原理
      英語
      shaped pulse
      説明
      波形パルス。一般に、パルスは矩形波として送出されるが、目的に応じてガウス型のパルスなど、矩形以外の波形を持たせたパルスを使用する場合があり、これをシェイプドパルスと呼ぶ。一般的には、特定の周波数帯域を選択的に励起することを目的としており、単に選択励起パルスと呼ばれる場合もある。
    • 磁化率

      読み
      じかりつ
      カテゴリ
      原理
      英語
      magnetic susceptibility
      説明
      物質が磁場中で磁気分極を生ずる(磁化される)比例係数。物質が磁化されることにより、周辺の磁場が乱れる。NMRでは観測される試料空間の磁場が均一であることが求められるため、その近傍にある物質(装置部品、試料)の磁化率は大変重要。
    • 磁化率補正対称型ミクロ試料管

      読み
      じかりつほせいたいしょうがたみくろしりょうかん
      カテゴリ
      装置
      英語
      magnetic susceptibility compensated symmetrical micro NMR tube
      説明
      SHIGEMIセルのこと。SHIGEMIセルを参照。
    • 四極子核

      読み
      しきょくしかく
      カテゴリ
      原理
      英語
      quadrupolar nucleus
      説明
      四重極子核ともいう。スピン量子数が1以上の原子核のこと。四極子モーメントを有し、核四極子相互作用に由来する非常に速い核四極子緩和のため、一般に信号が広幅化する。核四極子相互作用は電場勾配との相互作用であるため、原子核周辺の軌道対称性が悪い場合に顕著となる。
    • 磁気回転比

      読み
      じきかいてんひ
      カテゴリ
      原理
      英語
      gyromagnetic ratio
      説明
      原子核が磁場中で歳差運動する角周波数を決定する、原子核種ごとに固有の定数。NMRで観測可能な天然に存在する同位体では1Hが最も大きく、197Auが最も小さい。
    • 四極子緩和

      読み
      しきょくしかんわ
      カテゴリ
      原理
      英語
      quadrupolar relaxation
      説明
      四極子核で発生する緩和。一般に非常に速く、NMRの緩和で支配的になる。
    • シフト試薬

      読み
      しふとしやく
      カテゴリ
      -
      英語
      shift reagent
      説明
      金属錯体などを若干添加することにより、特定の信号の化学シフトを変化させてスペクトル解析を容易にするための試薬。光学異性錯体の添加によりジアステレオマー塩を形成させてエナンチオマーの信号を分離させる場合は、キラルシフト試薬と呼ぶ。ランタニドなどの常磁性金属を使用している場合には、過剰な使用が常磁性緩和による信号の広幅化を招くことがあるため、注意が必要。
    • シフトラミナーパルス

      読み
      しふとらみなーぱるす
      カテゴリ
      原理
      英語
      Frequency-Shifted Laminar Pulse
      説明
      RFパルスを短冊状に分割し、位相モジュレーションをかけることにより、パルスの周波数をシフトさせる。複数周波数の同時励起に有効な手法。JMR,96,94-102(1992)
    • シム

      読み
      しむ
      カテゴリ
      装置
      英語
      shim
      説明
      シムコイル。SCMが作る磁場においてNMRの観測領域の磁場の不均一性を補正して均一にするためのコイル群。各シムコイルは様々な勾配磁場を発生するように設計されており、それらのシムコイル群に流す電流を調整して磁場を均一にする。この調整作業を分解能調整、シム調整、シミングなどという。
    • 重水素化溶媒

      読み
      じゅうすいそかようばい
      カテゴリ
      測定法
      英語
      deuterated solvent
      説明
      水や有機溶媒の水素原子を重水素に置き換えた溶媒。溶液NMRで溶媒として使用される。頻繁に使用されるクロロホルムやジメチルスルホキシド、水はさほどでもないが、一般に大変お値段が高い。
    • 照射核

      読み
      しょうしゃかく
      カテゴリ
      原理
      英語
      irradiation nuclear
      説明
      受信器で観測はしないが、二重共鳴においてRFの照射はおこなう場合、その核を照射核と呼ぶ。一般には波括弧内に記載される。例えば、1Hを照射しながら13Cの観測をおこなう実験の場合、13C{1H}と記述する。
    • スピニングサイドバンド

      読み
      すぴにんぐさいどばんど
      カテゴリ
      原理
      英語
      spinning side band
      説明
      試料回転時に、回転速度(Hz)と等距離に現れるサイドバンド信号。溶液NMRでは、XY平面の磁場の不均一さに応じて現れるが、この場合はXY平面のシム(ラジアルシム)を調整することが望ましい。固体NMRでは、化学シフト異方性の範囲内におけるスピニングサイドバンドの発現は避けられず、スペクトル解析の障害となる場合がある、このような場合はパルステクニックや高速回転によって解決する方法がある。
    • スピン結合

      読み
      すぴんけつごう
      カテゴリ
      原理
      英語
      spin-spin coupling
      説明
      J couplingまたはJ 結合ともいう。共有結合した核スピン同士が電子を介して相互作用し、信号が分裂すること。
    • スピン結合定数

      読み
      すぴんけつごうていすう
      カテゴリ
      原理
      英語
      spin-spin coupling constant
      説明
      J 結合定数またはJ 値ともいう。スピン結合により分裂した信号の間隔。スピン結合を媒介するのは共有結合に供される電子であり、電子が作り出す磁場によってのみ信号が分裂しているため、分裂幅は外部磁場に影響されない。このため分裂幅の単位はHzで表す。
    • スピン量子数

      読み
      すぴんりょうしすう
      カテゴリ
      原理
      英語
      spin quantum number
      説明
      スピン角運動量を表す量子数。記号「I」で表される。磁場中では、核スピンのもつ磁気モーメントの量子化されたエネルギーが2I+1個の準位をとる。1Hや13Cなど、NMR観測に適した核スピンは、スピン量子数が1/2であるため、磁場中で2つのエネルギー準位を取る。このエネルギー準位差の共鳴現象がNMR。従って12Cや16Oなど、スピン量子数が0である場合、共鳴現象は起こり得ず、NMR不活性な同位体である。
    • スピンロック

      読み
      すぴんろっく
      カテゴリ
      原理
      英語
      spin locking
      説明
      励起パルスによってZ軸にあった磁化をY軸(またはX軸)に倒した後、Y軸(またはX軸)からRF照射することによりY軸(またはX軸)中心に回転させ、磁化をY軸(またはX軸)に固定すること。
    • 積算効率

      読み
      せきさんこうりつ
      カテゴリ
      原理
      英語
      accumulation efficiency
      説明
      FIDの積算によって信号強度を高める効率。FT-NMRにおいてパルスの繰り返し時間が短いと、次第に飽和していくために積算による信号強度の伸び率が低下する。これを防ぐには、パルスの繰り返し時間を長くするか、パルスフリップ角を小さくする必要がある。パルス繰り返し時間を長くした場合、一定時間に可能な積算回数が減少するため、最も効率のよいパルス繰り返し時間は、縦緩和時間とパルスフリップ角から求められる。エルンスト角を参照
    • 絶対値モード

      読み
      ぜったいちもーど
      カテゴリ
      原理
      英語
      absolute mode
      説明
      2次元測定におけるデータ取得の方法。2次元測定では、間接観測軸としてインターフェログラムを取得するが、この時にリアルデータ平面(real plane)のみを取得し、イマジナリデータ平面(imaginaly plane)を取得しない測定法を絶対値モードという。絶対値モードで取得されたデータでは、間接軸のイマジナリデータを持たないため、間接観測軸の位相補正をする事は出来ない。このため、スペクトルとしては強度の絶対値をとった結果を表示する。各ピークは吸収波形と分散波形の絶対値を重ねあわせた形状になるため、ピークの裾が著しく広がることになる。しかしながら、イマジナリデータ平面を取得しない分、測定時間が位相検波モードの半分となるため、信号の分離が重要でない場合に多用される。
    • ゼロフィリング

      読み
      ぜろふぃりんぐ
      カテゴリ
      原理
      英語
      zero-filling
      説明
      デジタル分解能を改善するため、FIDやインターフェログラムの後ろに強度ゼロのデータ点を充填する処理。デジタル分解能を高く測定するために、取得するデータポイントを 多くした場合、FIDの取得時に信号が減衰しきったあとは、ノイズのみが取り込まれるため、むしろSN比が低下する。このため、データの取得は信号が減衰するまでで停止し、デジタル分解能を向上させるにはゼロフィリングを実施した方が良い。信号が減衰しきった時点で得られる情報量は最大限取得されているため、ノイズを取り込むのとゼロフィリングによる充填は情報量的に等価となる。分解能よくスペクトルを得たい場合は、むやみにデータポイントを増やすのではなく、FIDと相談しましょう。
    • 選択励起パルス

      読み
      せんたくれいきぱるす
      カテゴリ
      原理
      英語
      selective excitation pulse
      説明
      特定の周波数範囲のみを選択的に励起するためのパルス。ソフトパルスおよびシェイプドパルスを参照。
    • ソフトパルス

      読み
      そふとぱるす
      カテゴリ
      原理
      英語
      soft pulse
      説明
      狭帯域パルス。選択励起パルスともいう。NMRの観測領域に対して、非常に狭い周波数範囲のみを選択的に励起するために、弱い出力の矩形パルスや、シェイプドパルスを利用することがあり、完全励起に使用される広帯域のハードパルスに対して、これらをソフトパルスという。
    • 対角ピーク

      読み
      たいかくぴーく
      カテゴリ
      原理
      英語
      diagonal peak
      説明
      同種核2次元NMRにおいて対角線上(直接観測軸と間接観測軸で同一の化学シフト)に現れる信号のこと。
    • ダイナミックレンジ

      読み
      だいなみっくれんじ
      カテゴリ
      装置
      英語
      dynamic range
      説明
      識別可能な信号の最小値と最大値の比率。巨大な信号と微小な信号を同時に観測しなければならない場合、微小な信号がノイズに埋もれずに信号として識別されるためには、受信器やAD変換器の性能が大きく影響する。
    • 多核NMR

      読み
      たかくNMR
      カテゴリ
      原理
      英語
      multinuclear NMR
      説明
      1Hと13C以外を対象としたNMR測定
    • 多次元NMR法

      読み
      たじげんNMR法
      カテゴリ
      測定法
      英語
      multidimensional NMR
      説明
      パルス列によって観測軸を複数持たせたNMR測定法。直接取り込まれるFIDの他に、特定のパラメータ(展開時間等)を変化させることによって、新たな波形(インターフェログラム)を得る。観測軸が2軸であれば2次元NMR(2D-NMR)、3軸であれば3次元NMR(3D-NMR)と呼ぶ。ただし、2次元NMRは2つの観測軸の他に信号強度軸が存在するため、厳密に言えば3次元のデータであり、3次元NMRは4次元のデータとなる。
    • 縦緩和時間

      読み
      たてかんわじかん
      カテゴリ
      原理
      英語
      longitudinal relaxation time
      説明
      スピン−格子緩和時間。T1ともいう。ラジオ波パルスによって励起された磁化の外部磁場と平行な成分が、エネルギーを放出して熱平衡状態に戻る過程を表す時定数。
    • ダミースキャン

      読み
      だみーすきゃん
      カテゴリ
      原理
      英語
      dummy scan
      説明
      Prescanともいう。NMR信号の取得を開始する前に、信号を取得せずにパルスシーケンスを繰り返し実行すること。測定の際には、RFパルスの出力によって試料の加熱などが起きるため、装置や試料が安定化するまで繰り返してから信号の取得を開始する。繰り返し回数に決まりは無いが、NOESYなどのように安定した環境が必用な測定では、多めに設定する。
    • チューニング

      読み
      ちゅーにんぐ
      カテゴリ
      装置
      英語
      tuning
      説明
      NMR装置で検出コイルを観測対象核の共鳴周波数に同調させる操作。
    • 直接観測核

      読み
      ちょくせつかんそくかく
      カテゴリ
      原理
      英語
      direct observation nuclear
      説明
      直接受信器で観測される核種。
    • 直交検波

      読み
      ちょっこうけんぱ
      カテゴリ
      装置
      英語
      quadrature detection
      説明
      クワドラチャ検波、QD検波などともいう。信号検出で位相を90度ずらした2つの信号を2つのチャンネルで受信し、後に復調する検波法。2つのチャンネルで受信された信号は、直交する2つのデータセットとして取得される。位相補正とは90度ずれた2つのデータセットをもとに、吸収波形成分(Realデータ)と分散波形成分(Imaginaryデータ)に調整することを言う。
    • データポイント数

      読み
      でーたぽいんとすう
      カテゴリ
      原理
      英語
      data points
      説明
      信号をデジタル化する際に取り込むデータ点の数。
    • デカップリング

      読み
      でかっぷりんぐ
      カテゴリ
      原理
      英語
      decoupling
      説明
      スピン結合を何らかの方法で取り除き、信号の分裂を防ぐ手法。一般的な13C測定においては、直接結合した1Hとのスピン結合による信号の分裂を防ぐため、FID信号の観測時に1Hに対してラジオ波を照射し、飽和させることでデカップリングをおこなう。
    • デカップリングサイドバンド

      読み
      でかっぷりんぐさいどばんど
      カテゴリ
      原理
      英語
      decoupling side band
      説明
      CPDは必ずしも完全にカップリングを消去できるわけではなく、様々な理由によりデカップリングが不十分な場合、残余信号が現れることがある。これをデカップリングサイドバンドと呼ぶ。一般にデカップリングすべき周波数範囲が非常に広い場合や、デカップリングに使用されるRF出力が不十分である場合などに顕著となる。
    • デジタルフィルタ

      読み
      でじたるふぃるた
      カテゴリ
      装置
      英語
      digital filter
      説明
      オーバーサンプリングと併用することにより、特定領域の周波数範囲を切り抜く手法。デジタル化されたデータに対して数学処理でフィルタを適用するため、電子デバイスによるフィルタ(オーディオフィルタ)に比べて、より高精度な応答を得られる。
    • デジタル分解能

      読み
      でじたるぶんかいのう
      カテゴリ
      原理
      英語
      Digital resolution
      説明
      隣り合うデータ点間の周波数差。
    • デシベル

      読み
      でしべる
      カテゴリ
      装置
      英語
      decibel
      説明
      物理量の比を対数で表現する場合に、常用対数を使用したもの。音響や電気に対して使用されることが多い。出力Yの入力Xに対する比を表す場合、20Log(Y/X) [dB]となる。従って、6 [dB] 増幅した場合、出力電圧(電流)は約2倍になる。
    • デュプレクサ

      読み
      でゅぷれくさ
      カテゴリ
      装置
      英語
      duplexer
      説明
      送受切替器。プローブに送られる送信波とプローブから戻ってくる微弱な受信波の経路を電気的に分離するために使用される電子回路。これにより微弱な受信波のみが受信機に送られる。
    • 展開時間

      読み
      てんかいじかん
      カテゴリ
      原理
      英語
      evolution time
      説明
      展開期(evolution period)とも。多次元NMRにおいて、間接観測軸を構築する期間を指す。
    • 等高線表示

      読み
      とうこうせんひょうじ
      カテゴリ
      原理
      英語
      contour view
      説明
      二次元スペクトルは、X,Y軸の他に強度軸を持っており、厳密に言えば3次元の情報であるため、強度軸を表現するために信号強度を高さとした等高線で表記する。
    • トランケーションウィグル

      読み
      とらんけーしょんうぃぐる
      カテゴリ
      原理
      英語
      truncation wiggle
      説明
      FIDのトランケーションによる信号の歪み。FIDが減衰しきらないうちに取り込みを打ち切られたデータをフーリエ変換した場合、信号の裾に波状の歪みが発生する。トランケーション(打ち切り)が避けられない場合はウインドウ関数で減衰させることにより歪みの発生を抑えることが可能。
    • トランスミッタ

      読み
      とらんすみった
      カテゴリ
      装置
      英語
      transmitter
      説明
      送信器。FSYやDDS等により生成された周波数を送出するための機器。一般的にはトランスミッタから送出されたRFはパワーアンプで増幅され、プローブに送られる。
    • 取り込み時間

      読み
      とりこみじかん
      カテゴリ
      装置
      英語
      acquisiton time
      説明
      NMR信号を取り込む時間。サンプリング間隔とサンプリングポイント数で決まる。
    • ドリフト

      読み
      どりふと
      カテゴリ
      装置
      英語
      drift
      説明
      NMRに使用される超伝導磁石は、本当は完全な超伝導ではない。超伝導コイルに使用される超伝導線は、無限の長さを持っているわけではないため、超伝導線同士を接続しなければならない部分が少なからず発生する。超伝導線同士は、抵抗値が限りなくゼロに近くなるように接続される(超伝導接続)が、真にゼロではない。このためほんの僅かながら電流の減衰が生じる。これによる磁場の減衰をドリフトと呼び、高分解NMR用の超伝導磁石では、1時間あたりのドリフトが10Hz以下になるように設計されている。
    • ナイキスト周波数

      読み
      ないきすとしゅうはすう
      カテゴリ
      原理
      英語
      Nyquist frequency
      説明
      取得する信号の周波数の2倍の周波数。この周波数より高い信号は再現できず、折り返し信号として偽信号が取得される。
    • 二重共鳴

      読み
      にじゅうきょうめい
      カテゴリ
      原理
      英語
      double resonance
      説明
      同時に2種類の周波数にパルスを照射する実験のこと。例えば、1Hをデカップリングしながら13Cを観測する測定や、1Hと13Cのパルスを組み合わせた測定などがこれに相当する。ごくごく一般的な測定であり、標準的なNMR装置で実施することができる。
    • ハイパスフィルタ

      読み
      はいぱすふぃるた
      カテゴリ
      装置
      英語
      high pass filter
      説明
      広域通過フィルタ。設定された周波数より低い周波数をカットし、高周波数側を通過させるための電子回路。例えば、1Hの観測時に13Cの周波数の漏れ込みを防ぐために使用される。
    • 波形分離

      読み
      はけいぶんり
      カテゴリ
      原理
      英語
      peak deconvolution
      説明
      複数の信号が重なり合った波形を、フィッティング計算によって構成する独立した信号群に分解すること。NMR信号はフーリエ変換の結果としてローレンツ型となるため、ローレンツ関数の重ね合わせで表現することができるが、熱雑音などの要因から必ずしもローレンツ鑵子だけではフィッティングが良い収束を見ない場合がある。このため、一般にはフォークト関数(ローレンツ関数+ガウス関数)が用いられる。
    • ハードパルス

      読み
      はーどぱるす
      カテゴリ
      原理
      英語
      hard pulse
      説明
      広帯域パルス。NMRの観測領域全体を励起するためには、一般に数マイクロ秒程度の十分に短いパルスを必用とする。数マイクロ秒のパルスを90度パルスとして利用するためには、非常に大きな電力が必用であるため、そのような高出力の広帯域RFパルスを慣例的にハードパルスと呼ぶ。
    • ハイフネーテッド技術

      読み
      はいふねーてっどぎじゅつ
      カテゴリ
      装置
      英語
      hyphenated technique
      説明
      2種類以上の分析機器を接続して連携させる技術。LC-NMRなどのように異なる装置名がハイフンで結ばれることからハイフネーテッド技術と呼ばれる。
    • パルス繰り返し時間

      読み
      ぱるすくりかえしじかん
      カテゴリ
      原理
      英語
      inter pulse delay
      説明
      パルス列の最初のパルスを打ってから、次の積算で同じパルスを打つまでの時間。繰り返し時間と同じ。
    • バックグラウンド信号

      読み
      ばっくぐらうんどしんごう
      カテゴリ
      原理
      英語
      background signal
      説明
      観測領域周辺に存在する観測対象核種に起因する、試料由来ではない信号。プローブに使用されている素材や、試料管などが原因となる。29Si測定時にパイレックスガラス製の試料管を使用すると、ガラス由来のバックグラウンド信号が現れる。多くの場合は非常にブロードな信号として観測される。バックグラウンド信号と試料由来の信号の判別が難しい場合は、ブランクテスト(試料を入れずに測定する)をおこなうことが望ましい。
    • パルス幅

      読み
      ぱるすはば
      カテゴリ
      原理
      英語
      pulse width
      説明
      パルス長ともいう。RFパルスの長さのことで、一般にはパルスの継続する時間を指す。このため「幅」であるにも関わらず、広いとか狭いなどとは言わず、長い/短いと表現する。
    • パルスシーケンス

      読み
      ぱるすしーけんす
      カテゴリ
      原理
      英語
      pulse sequence
      説明
      パルス列。目的とするNMR実験を実現するためのRFパルスの配列。実際に記述されるのはRFパルスだけでなく、勾配磁場パルスやデカップリング、FIDの取得なども含まれる。パルスシーケンスの記述においては、各パルスのパルス幅、位相、出力強度などを明記する。
    • パルスフリップ角

      読み
      ぱるすふりっぷかく
      カテゴリ
      原理
      英語
      pulse flip angle
      説明
      パルス位相がY(X)のRFパルスを受けた磁化が、回転座標系においてX軸(Y軸)の周りを回転する角度。
    • パルスプログラム

      読み
      ぱるすぷろぐらむ
      カテゴリ
      装置
      英語
      pulse program
      説明
      パルスシーケンスを記述したコンピュータプログラム。装置ごとに文法が異なるが、NMR装置はパルスプログラムに従ってパルスシーケンスの実行および信号の取り込みをおこなう。
    • 非磁性工具

      読み
      ひじせいこうぐ
      カテゴリ
      装置
      英語
      non-magnetic tools
      説明
      ベリリウム銅合金製の工具。非磁性であるため、磁石に引き寄せられることが無い。NMR装置の調整時など、SCMの発する強い磁場下で作業するために利用される。ちなみにベリリウム銅合金は火花を発しないので、防爆工具としても用いられる。
    • パルス列

      読み
      ぱるすれつ
      カテゴリ
      原理
      英語
      pulse train
      説明
      パルスシーケンスのこと。パルスシーケンスを参照。
    • パワーアンプ

      読み
      ぱわーあんぷ
      カテゴリ
      装置
      英語
      power amplifier
      説明
      電力増幅器。トランスミッタから送出されたRFの出力を増幅する。一般に出力電圧が大きい程パルス幅が短くなる。固体NMRなどでは短いパルス幅が要求されるため、出力の大きなパワーアンプが使用されることが多い。
    • 反転回復法

      読み
      はんてんかいふくほう
      カテゴリ
      測定法
      英語
      inversion recovery
      説明
      縦緩和時間を測定するための手法の1つ。180度パルスによって回転座標系のZ軸上で反転された核スピンが、時間とともに定常状態に回復していく過程を、待ち時間に続く90度パルスで観測する測定法。縦緩和時間が正確に求まるが、緩和時間の長い試料では、測定に長時間を要する。
    • 広幅NMR

      読み
      ひろはばNMR
      カテゴリ
      測定法
      英語
      wide line NMR
      説明
      固体NMRにおいて、MASをせずに異方性化学シフトによる広幅の線形を観測する手法。一般に非常に広い周波数範囲を観測する必要があるため、信号の励起に高出力のRFを要求される。
    • プリアンプ

      読み
      ぷりあんぷ
      カテゴリ
      装置
      英語
      pre-amplifier
      説明
      前段増幅器。プローブで検出されたNMR信号を増幅する。
    • プローブ

      読み
      ぷろーぶ
      カテゴリ
      装置
      英語
      probe
      説明
      NMR装置における検出器。試料にラジオ波(パルス)を照射したり、試料から放出されるラジオ波(NMR信号)を検出したりする。測定目的に応じて様々な種類がある。
    • プロダクトオペレーター

      読み
      ぷろだくとおぺれーたー
      カテゴリ
      原理
      英語
      product operator
      説明
      直積演算子。NMRにおける核スピンの量子力学的状態をあらわす密度行列は、直感的でない上に計算が煩雑になるが、これをより直感的に理解しやすくするために密度行列の直積(product)を用いて記述した演算子(operator)による記述法。多次元NMRに代表されるマルチパルス実験は、古典的なモデルでは表現できず、量子力学的な表現が必要になるため密度行列を取り扱うが、これを直積演算子で記述することにより、記述を簡略化できる。パルスプログラムの理解と開発に必要なものだが、パルスプログラムを使ってスペクトルの解析をおこなう上では特に必要とされない。
    • 分解能

      読み
      ぶんかいのう
      カテゴリ
      原理
      英語
      resolution
      説明
      2つの信号を別々の信号として識別する能力。NMRにおいては、信号の線形が先鋭化することにより、近接した信号同士を独立した信号として識別できるようになることを指す。観察される空間の磁場の均一性を高めることにより、信号の線形は先鋭化する。磁場の均一性を高める作業を分解能調整と呼ぶ。分離能を参照。
    • プロトン

      読み
      ぷろとん
      カテゴリ
      原理
      英語
      proton
      説明
      直訳は陽子であるが、NMR業界において「プロトン」と言った場合、一般に水素原子核(水素原子核が陽子1個であるため)を表す。
    • 分光計

      読み
      ぶんこうけい
      カテゴリ
      装置
      英語
      spectrometer
      説明
      NMRにおいては、ラジオ波を発生し、信号を取得するための装置本体を表す。通常、超伝導磁石やプローブは含まれない。
    • 分離能

      読み
      ぶんりのう
      カテゴリ
      原理
      英語
      separation
      説明
      2つの信号を別々の信号として識別する能力。NMRにおいては、信号間の距離が離れることによって、近接した信号同士を独立した信号として識別できるようになることを指す。例えば、600MHzの装置は400MHzの装置と比べて、独立した信号間の周波数差が大きくなるため、信号の分離が良い。つまり、600MHzの装置は400MHzの装置よりも分離能が高いが、分解能が高いとは言わない。分解能を参照。
    • ベースライン補正

      読み
      べーすらいんほせい
      カテゴリ
      原理
      英語
      baseline correction
      説明
      スペクトルのベースラインが歪んでいる場合に、その歪みを取り除いて平坦なベースラインを得るための処理。
    • ヘッドアンプ

      読み
      へっどあんぷ
      カテゴリ
      装置
      英語
      HeadAmp
      説明
      プリアンプの別名。プリアンプを参照。この他に、ヘッドアンプシャーシ(headamp chassis)と言った場合はプリアンプ(ヘッドアンプ)が内蔵された箱のことを指す。NMR分光計を設置する際、分光計は超伝導磁石の発する磁場の影響を避けるために、SCMからやや離れた位置に設置する場合が多いが、プリアンプはできるだけ検出コイルに近い位置に設置された方が効率が良いため、分光計と独立したヘッドアンプシャーシに入れてSCMの近くに設置される。最近のSCMは漏洩磁場が小さいため、分光計そのものをSCMの近傍に設置することで、ヘッドアンプシャーシを独立させない場合もある。
    • 飽和

      読み
      ほうわ
      カテゴリ
      原理
      英語
      saturation
      説明
      原子核がラジオ波を吸収して励起状態にあると、それ以上の吸収は起こらない。この状態を飽和という。通常は緩和によって即座にエネルギーを放出し、しだいに熱平衡状態に戻っていくが、ラジオ波を照射し続けることによって飽和状態を維持することができる。
    • 飽和回復法

      読み
      ほうわかいふくほう
      カテゴリ
      測定法
      英語
      saturation recovery
      説明
      縦緩和時間を測定するための手法の1つ。飽和した核スピンが時間とともに定常状態に回復していく過程を観測する測定法。反転回復法と比較して短時間で測定できるが、精度は劣る。
    • ポイント落ち

      読み
      ぽいんとおち
      カテゴリ
      原理
      英語
      -
      説明
      データポイントの不足(デジタル分解能の不足)により、本来の線形を再現できないこと。ゼロフィリングなどによってデータポイントを補間することで、より正しい線形を再現することができる。
    • マジック角

      読み
      まじっくかく
      カテゴリ
      原理
      英語
      magic angle
      説明
      水平面に置いた立方体の対角線が鉛直線となす角。3COS2θ-1=0となるθ=54.7度。固体NMRにおいて試料管の回転軸と静磁場のなす角。
    • マジック角回転

      読み
      まじっくかくかいてん
      カテゴリ
      測定法
      英語
      magic angle spinning
      説明
      高分解能固体NMRにおいては、試料を外部磁場に対してマジック角だけ傾けて高速回転することにより、化学結合の磁場に対する向きのばらつきを平均化する。これをマジック角回転と呼ぶ。十分なマジック角回転により、固体試料における信号の広幅化の原因である化学シフトの異方性(化学結合の磁場に対する向きのばらつきに起因する)が消去され、等方性化学シフトに信号が収束する。
    • 待ち時間

      読み
      まちじかん
      カテゴリ
      原理
      英語
      relaxation delay
      説明
      信号の取り込みが終わってから、次のパルスが出力されるまでの時間。relaxation delayと表記されているが、実際には取り込み時間の間も緩和しているので、今ひとつ正しくない表現かもしれない。
    • マッチング

      読み
      まっちんぐ
      カテゴリ
      装置
      英語
      matching
      説明
      NMR装置で検出コイルを観測対象核の共鳴周波数に同調させる際、RF信号伝送ケーブルの特性インピーダンス(通常50オーム)に同調と同時に整合させる操作。
    • 誘電損

      読み
      ゆうでんそん
      カテゴリ
      原理
      英語
      dielectric loss
      説明
      誘電損失ともいう。電磁波が試料に照射されたときに熱エネルギーが発生すること。電子レンジと同じ。高磁場装置や、塩強度の高い水溶液試料のNMRでは、誘電損による試料の発熱が起こりうるため、RF照射のしすぎには注意が必要。
    • 横緩和時間

      読み
      よこかんわじかん
      カテゴリ
      原理
      英語
      transverse relaxation time
      説明
      スピン−スピン緩和時間。T2ともいう。ラジオ波パルスによって励起された磁化の外部磁場と垂直な成分が、完全にランダムな状態になる過程を表す時定数。
    • 溶媒信号消去

      読み
      ようばいしんごうしょうきょ
      カテゴリ
      原理
      英語
      solvent signal suppression
      説明
      パルステクニックを使用して溶媒由来の不要信号を消去すること。古くからある事前飽和法(presaturation法、DANTE presaturation法)をはじめ、WET法、WATERGATE法、DRYCLEAN法など、様々な手法があり、目的に応じて使い分ける。
    • ラーモア周波数

      読み
      らーもあしゅうはすう
      カテゴリ
      原理
      英語
      Larmor frequency
      説明
      原子核などが磁場中に置かれると、自身が持つ磁気モーメントが外部磁場によってトルクを与えられ、歳差運動を起こす。この歳差運動の角周波数をラーモア周波数と呼ぶ。ラーモア周波数は外部磁場に比例し、この時の比例定数を磁気回転比(gyromagnetic ratio)と呼ぶ。
    • 量子化ノイズ

      読み
      りょうしかのいず
      カテゴリ
      原理
      英語
      Quantization Noise
      説明
      アナログ信号をデジタル信号に変換する際に現れる誤差に起因するノイズ。連続的なデータであるアナログ信号を離散的なデータとしてデジタル化する際、連続性を完全に再現するには、無限の速度でサンプリングする必要がある。もちろんサンプリング速度には限界があるため、実際には不可能。オーバーサンプリングによりサンプリング速度を高速化することで低減できる。
    • レシーバ

      読み
      れしーば
      カテゴリ
      装置
      英語
      receiver
      説明
      受信器。NMR信号を受信(検波)する電子回路。詳細は装置によって異なるが、受信した信号をデジタル化するまでの様々な制御を受け持つ。
    • レシーバゲイン

      読み
      れしーばげいん
      カテゴリ
      装置
      英語
      れしーばげいん
      説明
      受信器による信号の増幅率。大きくしすぎるとADCでデジタル化した際に信号が振り切れる(clipping)ため、信号強度によって適切な値を使用する。
    • ローパスフィルタ

      読み
      ろーぱすふぃるた
      カテゴリ
      装置
      英語
      low pass filter
      説明
      低域通過フィルタ。設定された周波数より高い周波数をカットし、低周波数側を通過させるための電子回路。例えば、13Cの観測時に1Hの周波数の漏れ込みを防ぐために使用される。