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蛍光X線分析 (XRF) 装置「JSX-1000S」で切り拓く、非破壊元素分析の未来 【JASIS2025出展レポート_Part3】

最終回となるPart3では蛍光X線分析装置(XRF)を取り上げます。材料や環境、品質保証の分野で広く用いられるXRFは、サンプルを破壊せずに元素組成を明らかにできる分析技術です。今回の日本電子の展示機種「JSX-1000S」は、自動化による効率化と非破壊分析の特長をあわせ持ち、研究から産業応用まで幅広い現場を支えています。

JSX-1000Sが目指す自動化と省力化

XRFの特長は、試料を破壊せずに元素分析が行える点にあります。材料、樹脂、セラミックスはもちろん、食品や環境サンプルにも応用可能です。「破壊せずに測定できるという安心感は大きいと思います。サンプルを温存したまま、必要な情報を効率よく得られるのがXRFの強みです」と日本電子の説明員の松戸は語ります。

一方で、分析現場には大きな負荷もかかります。

「ユーザー企業様の中には、大量のサンプルを測定するケースもあります。従来は時間をかけて人力で対応するのが一般的でした」(同)

今回展示された蛍光X線分析装置「JSX-1000S」には、使用者の測定の負担を減らすために自動で試料を切り替えながら連続分析できる機構が搭載されています。

さらにJSX-1000Sは、測定のスピードと簡便性も追求しています。「現場ではスピードが何より重要です。そして誰でも扱えること。経験の少ないオペレーターでも短時間で操作できるよう、UIにも工夫を凝らしています」 (同)

規制対応から産業利用まで広がる用途

RoHSやREACHなど有害元素規制が強まる中、XRFは品質保証や環境対応で欠かせない装置となっています。「規制分析のために毎日のように測定しているメーカーさんも多く、XRFはそうした義務を安全かつ効率的にこなすための頼れる道具になりつつあります」 (同)

最近では、金属や樹脂などの産業材料の品質検査から、リサイクル材の評価まで応用が広がっています。「リサイクル材を混ぜたときに品質がどう変化するか、添加剤が適正に添加されているかどうか。そうした確認にもXRFは役立ちます」 (同)

JASIS2025の展示会場でも、自動化機能は来場者の注目を集めました。
「特に『夜間や無人で測定できれば、大幅に効率化できる』という声を多くいただきました。分析作業は避けて通れない一方で、人手に頼りすぎると限界があります。だからこそ、装置が担える部分は装置に任せていただきたいと思っています」 (同)

最後に松戸はこう語ります。
「私たちの願いは、お客様が本当に注力すべき研究や生産に集中できる環境を整えることです。分析にかかる負担を減らすことで、少しでもそのお手伝いができればと考えています」

XRFブース内セミナーの様子

まとめ

研究や産業の現場では、非破壊で迅速に元素組成を評価できる蛍光X線分析(XRF)の重要性がますます高まっています。展示機種「JSX-1000S」は、自動化による効率化と信頼性の高い非破壊分析を両立し、規制対応から材料研究まで幅広い現場での活用が期待されます。

松戸が繰り返し強調したのは「使用者の負担を減らすこと」と「研究者が本質的な業務に集中できる環境づくり」。日本電子は現場の声に耳を傾けながら改良を重ね、XRFの可能性を広げていきます。これからも分析技術を通じて、研究開発や産業応用、そして社会の安心と安全に貢献してまいります。

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