真価が進化する ~JEOL's true value continues to evolve~ 【JACLaS EXPO 2025 -臨床検査機器・試薬・システム展示会- 出展レポート】
日本電子株式会社 展示ブース
2025年10月3日(金)~5日(日)の3日間、パシフィコ横浜で開催された「JACLaS EXPO 2025 -臨床検査機器・試薬・システム展示会-」に出展しました。
今回のテーマは「真価が進化する ~JEOL's true value continues to evolve~」とし、検査現場で求められている「業務改善」「検査フローの効率化」「精度保証」の3つを両立することを目指しました。
働き方改革や業務プロセスの見直しといった社会的な流れを背景に、検査室の業務効率化と精度保証の新しい形を提案する場となりました。
また、ブース内セミナーと日本医療検査科学会 第57回大会内プログラム 第16回 BioMajesty™セミナーに関しても盛況のうちに終わりましたので、その様子を紹介します。
1. 展示概要
MEソリューション営業本部 信藤 悠太
生化学自動分析装置「BioMajesty™」シリーズ の実機を中心に展示しました。
加えて、生化学自動分析装置と免疫自動分析装置を連結可能な「生化学・免疫ブリッジモジュール」、臨床検査情報処理システム「CLALIS™」や35項目へ拡大した試薬「BMテスト™」なども併せて紹介し、弊社ソリューションがもたらす価値を製品と紐づけて展開しました。
展示内容をMEソリューション営業本部の信藤 悠太に解説してもらいました。
2. 生化学自動分析装置「BioMajesty™」シリーズ
JCA-ZS050 自動分析装置 クリナライザ BioMajesty™ ZERO
BioMajesty™シリーズは反応液量の超微量化と超高速処理を実現した臨床検査に貢献する生化学自動分析装置です。試薬「BMテスト™」や臨床検査情報処理システム「CLALIS™」と連動することで「精度保証」「業務改善」「効率化」を実現するハブとしての役割を担っています。
「JCA-ZS050」や「JCA-BM6010 G」といった汎用機から、最大9,000 テスト/時の高処理能力を持つ「JCA-BM8000 series」まで、幅広く実機を展示することで検査規模に応じた最適なライン構成の提案を行いました。
⽣化学⾃動分析装置 BioMajesty™
BioMajesty™は反応液量の超微量化と超⾼速処理を実現した、臨床検査に貢献するJEOLの⽣化学⾃動分析装置です。採取した検体を希釈するという独⾃の⼿法で、検体量の微量化‧試薬の少量化を実現しました。これにより患者さんの負担軽減、ランニングコストの低減に貢献しています。
⼩‧中規模病院および検査センター
(患者検体分析専⾨の⺠間の会社)、⼤学病院などの⼤規模病院に納⼊されています。超微量測定の機能を⽣かして免疫、腫瘍マーカー、薬物、感染症マーカー等の検査項⽬の開発、そして⼩動物実験による創薬の開発など、ますます私達の医療への貢献が期待されています。
3. 「生化学・免疫ブリッジモジュール」
ブリッジモジュール設置イメージ
ブリッジモジュールは、生化学自動分析装置と免疫自動分析装置を連結し、搬送から収納までを一気通貫で処理するシステムです。
従来は「投入 → 生化学 → 免疫」で一旦区切られていたフローを、「投入 → 生化学 → 免疫 → 再検 → 仕分け → 収納」までワンストップで自動処理できるようになりました。
これにより、検査工程全体の処理効率が大幅に向上し、ヒューマンエラーの削減にもつながります。
アイディエス製検体搬送装置
主な効果は次のとおりです。
検査業務の自動化による省力化
従来比約50%の業務量削減
搬出ラックの特長として、現場の多様な要望に柔軟に対応でき、次のような運用が可能になります。
生化学検査と免疫検査の検体を分けて保管したい場合
外注検体や用手法(例:梅毒検査)を別管理したい場合
さらに、生化学自動分析装置は4種類、免疫装置は5種類から選択でき、検査規模や目的に応じて自由に組み合わせることが可能です。
4. 試薬「BMテスト™」
BMテスト™ 35項目
試薬「BMテスト™」は35項目にラインアップを拡大し、3つの面で改良が加えられました。
R1/R2同時消費セット包装による在庫・発注管理の簡素化
キャリブレーターのまとめ運用による試薬管理の効率化
異常反応チェックパラメーターの標準搭載による精度保証の強化
従来の汎用試薬では、R1/R2の消費タイミングがずれるため、試薬運用の煩雑さが課題となっていました。
BMテスト™試薬では、R1/R2を同時に使い切ることが可能です。加えて、R1とR2が同じパッケージに入っているため、交換作業や在庫管理が容易になります。
これにより、試薬管理に関する業務を大幅に効率化できるようになりました。
受付でのカード配布
ブース内では「タイムコーストレジャーハント」の体験型企画も展開し、ユーザーの皆様から投稿されたタイムコースをカード化してブースにて配布いたしました。
5. 臨床検査情報処理システム「CLALIS™」
臨床検査情報処理システム CLALIS™
「CLALIS™リンク」は、測定作業日誌や試薬管理を支援する既存機能に加え、異常反応の検出や結果検証を可能とする拡張システムです。最新版では、次のような新機能を備えています。
試薬台帳の自動化による業務削減
ISO/改正医療法対応に準拠した運用支援
異常反応チェック機構による精度保証の強化
CLALIS™を導入すると、外箱バーコードの読み取りから試薬の入庫、BioMajesty™とのデータ連携による自動出庫、試薬管理台帳作成までを一括で管理でき、最大で約80%の業務削減を可能にします。
臨床検査情報処理システム CLALIS™
臨床検査情報処理システム CLALIS™ JCS-60Lでは検体受付から報告まで、詳細にエビデンスを残しながら適切に分析装置群との連携を⾏って検査を進めていきます。単に装置と通信して結果値を取り込むだけでは無く、迅速報告のための時間管理や、過去データとの⽐較や項⽬間の関係などをリアルタイムにチェックし、疑わしい値をピックアップして通知することで異常データが⾒逃されないようサポートします。また現在の医療法が⼒を⼊れる検体検査の品質‧精度保証についは、⾃動分析装置の精度管データを集積することで、正しい測定結果を得るための管理を⾏うだけにとどまらず、使⽤する試薬‧消耗品を⼊庫から測定で使⽤するまで管理することで⽀えています。
6. ブース内セミナー / 第16回 BioMajesty™セミナー
ブース内セミナー実施中
ブース内セミナーでは「精度保証」をテーマに3つのプログラムを実施して、毎回立見席が出るほど好評いただきました。
臨床化学バリデーションの基本と希釈系列実演ミニ講座
反応タイムコースって何? 生化学検査をもっと楽しむ方法
名探偵コモン 異常値の原因を探せ!!
壇上に立つ浜松医科大学医学部附属病院 山下 計太 先生
第57回 日本医療検査科学会では、第16回 BioMajesty™セミナーを開催しました。
座長には国際医療福祉大学の清宮 正徳 先生をお迎えし、「日本電子が描く臨床化学の近未来図」をテーマに以下のプログラム内容で講演を実施しました。
〈日本電子からの情報提供〉 効率化に向けた日本電子の新たな試み ~自動コントロールシステム~
〈特別講演〉日本の精度管理を見直してみよう ~Patient Based Real-time QC (PBRTQC)の概念と日本の手法を比較して~
〈反応タイムコースイベント〉 タイムコーストレジャーハント2025
分析装置の自動化とブラックボックス化が進む一方で、生化学検査も精度管理から分析前後の過程(検体採取・運搬・保存)や検査結果の報告、検査値の解釈を含めた精度保証が求められる時代へと変遷しています。『自動化と精度保証』にスポットをあて、日本電子からの情報提供では新たな試みである自動コントロールシステムの概要について、特別講演では浜松医科大学医学部附属病院 山下 計太 先生より測定結果の信頼性向上のアプローチについてご講演いただきました。
タイムコーストレジャーハント2025大賞 投票の様子
また、タイムコーストレジャーハント2025では会場でのリアルタイム投票を行いまして、年間大賞を決定しました。
7. まとめ
今回の出展では、装置・試薬・情報処理システムを連携させたソリューションを通じて、検査の省力化と精度保証の両立を力強く打ち出しました。
私たちは"臨床検査に寄り添うパートナー"としてさらなる進化を遂げることで、臨床検査分野の課題解決に貢献してまいります。
日本電子株式会社
日本電子は、1949年の創業以来、これまで最先端の理科学・計測機器、産業機器そして医用機器の開発に邁進してきました。
今では数多くの製品が世界のいたるところで使用され、真のグローバル企業として高い評価を頂いております。
「世界の科学技術を支えるニッチトップ企業」を目指し、ますます高度化し多様化するお客様のニーズに的確にお応えしていきます。
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