試料損傷
試料損傷
specimen damage, electron-beam damage, irradiation damage
[目次:理論]
観察中に電子線照射によって試料が変形したり、観察している場所が凹んでしまう現象。一般に熱に弱い試料を高倍率で観察するときに起きやすい。SEMでの試料損傷は熱損傷が主な原因と考えられるので、観察時の加速電圧を下げたり、プローブ電流を減らす等によって、損傷の度合いを小さくすることができる。試料を冷やしたり、金属コーティングをする、といった工夫が行われる場合もあるが、同一視野を長時間観察しない、倍率を上げすぎないといった注意も必要である。下図は2種類の試料損傷の例である。上の半透膜の場合、中心部を高倍率で長時間観察していたため熱損傷により観察部位がくぼんでいる(b)。下のハロゲン銀粒子では、電子線の感光作用のため結晶成長が起きている(d)。
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