CRYO ARM™ 200Ⅱ(JEM-Z200CA)
電界放出形クライオ電子顕微鏡

電界放出形クライオ電子顕微鏡 CRYO ARM™ 200Ⅱは冷陰極電界放出形電子銃とインカラム形エネルギーフィルター(オメガフィルター)、サイドエントリー液体窒素冷却ステージ、最大12個の試料を保管できる自動試料交換機構を装備したクライオ電子顕微鏡です。
単粒子解析に特化した高分解能(HR)構成、クライオトモグラフィーに対応したワイドギャップ(WG)構成から選択できます。
新設計のオメガフィルターとホールフリー位相板 *1を組み合わせて使用することにより、生物系試料のさらなるコントラストの向上を実現しました。
特長
自動試料交換機構
液体窒素温度に冷却された試料ステージと試料交換機構間を試料冷却したまま自動移送できるクライオトランスファー機構を備えています。液体窒素は液体窒素タンクに自動供給されます。最大12 個の試料を冷却された試料交換装置内に保管することが可能です。保管中の試料は、1個、または複数個取り外しおよび交換を行うことができます。交換される試料以外は冷却されたまま自動試料交換機構に保持されます。
冷陰極電界放出形電子銃
冷陰極電界放出形電子銃で得られる高輝度かつエネルギー幅の小さい電子ビームは高い干渉性を有するため、高分解能で高コントラストの像観察が可能となります。
インカラム形エネルギーフィルター(オメガフィルター)
インカラム形エネルギーフィルター(オメガフィルター)を装備することにより、エネルギーフィルター像、エネルギー損失スペクトルを取得することができます。ゼロロス像では色収差が低減された高いコントラス トの像観察が可能になります。
単粒子解析用自動画像取得ソフトウェア *1
単粒子解析用自動画像取得ソフトウェアです。自動的にグリッドホールを検出して、効率的に単粒子画像を収集可能です。
ホールフリー位相板 *1
コントラストの低い生体試料に対して高いコントラストを与えるのに有効です。
自動調整機能 *2
オートフォーカス、オートコマフリーアライメント、オートパラレルイルミネーションなどの自動調整機能を使うことで最適な条件で像取得が可能です。
*1: オプションです。
*2: ボトムカメラの画像を使用します。
関連リンク
ニュースリリース
新型冷陰極電界放出形クライオ電子顕微鏡 "CRYO ARM™ 200 II" (JEM-Z200CA) を出荷開始
仕様・オプション
本体
電子銃 | 冷陰極電界放出形電子銃 |
---|---|
加速電圧 | 200kV |
エネルギーフィルター | インカラム形オメガフィルター |
ステージ/自動試料交換機構
試料ステージ | |
---|---|
使用冷媒 | 液体窒素、液体窒素自動供給機構組込み |
試料冷却温度 | 100K 以下 |
温度測定位置 | 試料、クライオシールド、LN2タンク |
試料移動 | |
X、Y | モーター駆動(移動範囲± 1mm)
ピエゾ素子 (移動範囲± 0.5μm) |
Z | モーター駆動(移動範囲± 0.2mm) |
X傾斜 | モーター駆動(傾斜範囲 X-tilt:不可[HR] / ± 70°[WG]) |
試料面内回転 | 0°もしくは90° |
試料交換装置 | エアロック方式、
自動制御クライオトランスファー機構組込み |
試料冷却温度(交換室) | 105K 以下 |
試料交換カートリッジ | 一度に最大4個の試料交換が可能 |
試料パーキングステージ | 最大12個 保持可能 |
カタログダウンロード
CRYO ARM™ 200 II (JEM-Z200CA)電界放出形クライオ電子顕微鏡
アプリケーション
JEM-Z200CAに関するアプリケーション
ギャラリー
Innexin-6 gap junction channel

Experimental conditions
Sample: Innexin-6 (Caenorhabditis elegans)
Microscope: CRYO ARM™300 (300kV CFEG) with Gatan K2
Software used for image acquisition : JADAS (1974 images)
Number of particles: 91,613 (Initial pickup), 37,767 (for 3D reconstruction)
Software used for image analysis: Relion3
Resolution: 3.0 Å (at FSC = 0.143)
Sample by courtesy of Prof. A. Oshima (Nagoya University)
Apoferritin
The highest resolution 1.53 Å achieved by cryoEM 2019.02
mouse apoferritin



Phenylalanine

Methionine sulfur atom

Tryptophan
- Optics features: Cold FEG 300 kV & Ω-type energy filter with 20 eV slit width
- Detector: Gatan K2 (image pixel size: 0.495 Å, mag x100,000)
- Grid: Quantifoil 1.2/1.3 Cu 200 mesh, kept in the autoloader for 3 days before data collection
- No. of micrographs: 974 collected over 24 h, 840 used for image analysis
- No. of particles: 120,295 used for final reconstruction
- Software: RELION 3.1b, CTFFIND4
- Resolution: 1.53 Å (B-factor: 47)
- Note: the first 56 images alone produced a map of 1.76 Å resolution (B-factor: 45)
Mouse apoferritin plasmid from Yanagisawa, Danev & Kikkawa @Tokyo University
Kato, Makino, Nakane, Terahara, Kaneko, Shimizu, Motoki, Ishikawa, Yonekura & Namba 2019.02 (EMDB-9865)
ß-galactosidase
β-galactosidase 2.43 Å resolution CRYO ARM™
この図は大阪大学大学院生命機能研究科の難波啓一特任教授、加藤貴之助教らの研究チームによって、加速電圧200kV、Schottky型 FEG搭載のクライオ電子顕微鏡 CRYOARM™で解かれたβ-galactosidaseの構造です。 本データをフーリエシェルコリレーション法にて検証した結果(グラフ)、3D再構成像にて2.43Åという優れた分解能を示しました。

Sample:
β-galactosidase with PETGMicroscope:
CRYO ARM™ (Schottky 200 kV) / K2 summitNumber of Images:
2,500 over 3 days by JADASImage pixel size:
0.8 Å/pixelNumber of particle images:
350,000(Initial pickup), 88,564 (for final 3D reconstruction)Software:
Motioncor2, Gctf, Gautomatch, Relion2.0Total dose:
70 e-/Å2 (70 frames (0.2 sec/frames x 14 sec)
Data: courtesy by Dr. T. Kato and Dr. K. Namba, Osaka University, August 2017

関連製品
関連製品

SightSKY Camera (EM-04500SKY) 高感度・低ノイズ ファイバーカップリングCMOSカメラ
高感度・低ノイズ・19 MピクセルのCMOSセンサーを搭載し、入射電子量が少なくても、試料のディテールを引き出しクリアな画像が得られます。
グローバルシャッター方式と高いフレームレート (58 fps / 全画素モード) により、動的観察時にアーティファクトが抑制された画像シリーズを取得することができます。
カメラシステム制御ソフトウェア"SightX"は、ユーザーフレンドリーな操作性を提供します。

JEM-120i 電子顕微鏡
JEM-120i は、「Compact」、 「Easy To Use」、 「Expandable」をコンセプトとして新たに開発された120 kVの電子顕微鏡です。外観を一新するだけでなく、操作からメンテナンスまで誰でも簡単に使える装置へと進化しました。

XtaLAB Synergy-ED 極微小単結晶構造解析プラットフォーム
XtaLAB Synergy-ED は、リガクと日本電子のコア技術のシナジーによって生まれた全く新しい電子回折計です。
測定サンプル (ナノ結晶) の選別からデータ収集、解析までのフローを一体化することで、従来必須とされる電子顕微鏡と結晶学の専門知識がない非専門家にも、電子回折構造解析を手軽に利用することが可能です。