高性能GC-QMSと4セクターMS/MSで培った技術と経験を注ぎ込んだ、新しいコンセプトのトリプルQMS。
シングルモードによるスキャン測定・SIM測定のほか、独自開発のショートコリジョンセル技術による、高速・高感度なSRM測定による微量検出・定量分析に威力を発揮します。
特長
4つのTechnologyで、迅速・正確な定量分析を実現
イオンの蓄積と瞬間的イオン排出可能なショートコリジョンセルにより、分析目的に最適なモードでの定量分析を実現。
業界トップクラスの1000トランジション / 秒という最速SRM速度により、測定時間短縮によるスループットを向上したメソッド構築が可能です。
Technology 1 イオンの蓄積と瞬間排出
セル内に蓄積したイオンはパルス化して瞬間的に排出します。業界トップクラスのSRM速度と干渉イオンを排除を両立しました。
Technology 2 ノイズの低減
信号の取り込みはパルスに同期しているため、ノイズを極限まで軽減します。中性分子によるノイズ抑制には、検出器直前の偏向器が寄与します。
4つのSRM測定モードから、分析目的に応じて選択可能です。
SRMモード | 高速モード | 標準モード | 高感度モード | 排出周期可変モード |
---|---|---|---|---|
SRM速度 | 1,000チャンネル / 秒 | 200チャンネル / 秒 | 100チャンネル / 秒 | 20〜1,000チャンネル / 秒 |
排出周期 | 1 ms
(メソッド固定) |
5 ms
(メソッド固定) |
10 ms
(メソッド固定) |
1〜50 ms
(チャンネル毎に設定可能) |
応用例 | SRM速度を必要とする Fast GC条件を用いた多成分一斉分析など | SRM速度と検出感度のバランスに優れた 汎用的なモード、一般分析など | 厚生労働省発行の通知法に準処した コンペンショナル条件での食品中残留農薬の高感度多成分一斉分析など | 測定対象成分から発生するイオン量に応じて排出周期を個別に設定可能なモード、 ワイドダイナミックレンジを必要とする水道農薬一斉分析など |
新機能 "排出周期可変モード"
高濃度試料を測定した場合、生成するイオン量の飽和によって検量線の直線性が確保できない場合があります。
JEOLでは、新機能"排出周期可変モード"を用いることで、広い濃度範囲で検量線の直線性が確保できます。
PCB#28における検量線 (濃度範囲: 1-500 pg / uL)
Technology 3 Fast GC
内径が小さく、短いキャピラリカラムを使用し、GC オーブン温度を高速で昇温させることで測定時間を短縮することが可能であり、時間当たりのサンプル処理数を向上できます。クロマトグラムのピーク幅が狭くなるため高速なトランジッションが求められる測定法に対し「ショートコリジョン」技術が威力を発揮します。
FastGCによる農薬266成分測定の時間短縮
通常のカラムでは40分必要な測定(上段)が、FastGCではクロマトグラムの分離を維持したまま15分に短縮できました(下段)。
通常のGC-MS測定(上段)
column:
30m length,
0.25mm I.D.,
0.25μm film thicknes
Total 40min
Fast GC-MS測定(下段)
column:
20m length,
0.18mm I.D.,
0.18μm film thicknes
Total 15min
Technology 4 高性能イオン源EPIS* (オプション)
Enhanced Performance Ion Source
新設計のイオン源チャンバーにより、SRMでの装置検出限界IDL < 0.4 fg (OFN 1 fg) を達成しました。EPISを使用することにより、標準イオン源に対して1桁程度の感度向上が期待できます。
高性能イオン源
農薬300成分 (10 ppb) のTICクロマトグラム比較
(SRMモード)
データ解析作業をより簡単に
多成分一斉定量解析ソフトウェア "Escrime™"
複数データのクロマトグラムと検量線や面積値の情報を1画面に集約、全検体の比較やピーク面積の一括変更等、解析作業の効率が大幅に向上しました。SRM測定結果だけでなく、SIM測定結果の解析にも使用可能です。
Escrime™は、定性解析機能も搭載しています。 Q1スキャンモードで得られたデータに対して、スペクトル自動作成・ライブラリー検索、クロマトグラムピークリスト作成、クロマトグラム作成などを行うことが可能です。
統合定性解析ソフトウェア "msFineAnalysis iQ"
ライブラリーデータベース検索だけの定性分析から脱却!msFineAnalysis iQ
msFineAnalysis iQは、電子イオン化 (EI) 法マススペクトルを用いたライブラリーデータベース (DB) 検索と、ソフトイオン化法マススペクトルによる分子量確認を組み合わせた "統合解析" を行うことができる自動定性解析ソフトウェアです。
" msFineAnalysis iQ"が、解析精度の向上、作業時間の短縮、作業効率の向上を実現します。
らくらくメンテナンス
イオン源洗浄は簡単 メンテナンス後の装置復帰も迅速
イオン源の取り外しには工具は必要ありません。
真空ポンプの排気能力が高いため、メンテナンス後も短時間で装置を分析可能状態に復帰できます。
より長くお使い頂くために
装置性能を維持するために JEOL では年間保守点検契約をお勧めしています。
サービスのプロフェッショナルが最高の装置コンディションを引き出し、お客様のデータの信頼性を高めます。
契約名*1 | 定期点検 | 修理対応 | 交通費 | 講習会
or 操作説明*2 |
各プランをお薦めする稼働状況 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
回数 | 交換部品 | 作業費 | 交換部品 | ||||
基本契約Ⅰ | 年2回 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 使用頻度:ほぼ毎日の場合
稼働率の高い装置にお薦めする手厚いサポートプラン |
基本契約Ⅱ | 年1回 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 使用頻度:毎週の場合
コストパフォーマンスの良いスタンダードプラン |
限定契約 | 年1回 | △*3 | ○ | △*3 | ○ | ○ | 使用頻度:隔週以下の場合
高額部品を契約外としたご予算重視プラン |
基本契約Ⅰ・Ⅱはロータリーポンプ、ターボ分子ポンプ、検出器を必要に応じて契約内で交換します。
上記プランの3年パックご契約は単年度契約よりも20%もコストダウンでおすすめです。
「○」は「契約内に含まれる」の意味です。
契約対象はGC本体とMS本体です。オートサンプラー等その他の周辺機器は別途追加料金となります。
講習会は日本電子(東京・大阪)で開催。操作説明はサービスエンジニアによる現地基本操作説明です。
10万円(税別)以上の部品は有償です。
関連リンク
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