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ESR 測定条件 **磁場掃引幅**

ER230008

ESR測定条件の最適化

最適な状態で ESR測定するためには、次の項目の検討が重要となります。 (1) ~ (3) の詳細については、アプリケーションノート ((1) : ER220001ER220005、(2) : ER220003、(3) : ER220004) をご参照ください。

(1) マイクロ波パワー
(2) 磁場変調幅
(3) 掃引時間と時定数
(4) 磁場掃引幅

線形と信号の範囲

ESR信号の線形は試料の状態に影響を受けます。一般的に、溶液試料と比べて固体試料の方が広い線幅を示します。表1に各種試料とそのESR信号の範囲を示します。溶液中のラジカルは速い分子運動のため、その異方性が平均化されて対称的でシャープな信号を示します。通常、溶液中の有機フリーラジカルは5 μT ~ 50 μT 前後の狭い線幅を示します。固体中の有機ラジカルは0.1 mT 以上の線幅となり、多結晶の固体試料では磁場に対してさまざまな配向を持つラジカルの信号が重なり合うことで異方性が現れ非対称な信号となります。粘性の高い溶液中のラジカルは分子運動が抑制されるため、溶液と固体の中間的な線形になります。

表1. 各種試料の ESR 信号の比較

(①、②:溶液、③~⑥:固体(粉末)、⑦:気体)

番号 試料 ESR 信号の範囲 (mT) アプリケーションノート
ペリレン 4 ER220004
TEMPOL 5 ER220001
炭素 3 ER220005
ウルトラマリン 25 ER200002
硫酸銅 100 ER220001
酸化クロム (Ⅲ) 600 ER200003
酸素 > 1000 ER230006

磁場掃引幅の設定

ESR 信号が観測される磁場は、共鳴条件式 hν = gμBH によって決まります。下記に各種試料の目安となる磁場掃引幅の値を示します。観測される信号に対して磁場掃引幅が広くなりすぎると、信号の応答性も悪くなります。

有機ラジカル、N、O、Si などの試料の場合

335 / 325 ± 10 mT (共鳴周波数:9.4 / 9.1 GHz 付近のとき)

金属錯体などの試料の場合

300 ± 250 mT

 
ν : 共鳴周波数、H : 共鳴磁場、h : プランク定数、 μB : ボーア磁子、g : g

*温度可変装置などのアタッチメントを使用する場合には、共鳴周波数と共鳴磁場が変わりますのでご注意ください。

 

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