JEM-1400Flashはバイオロジーからナノテクノロジー、ポリマー、最先端材料に至るまで幅広い分野で活用され用途を多岐に広げています。中でも生物分野をはじめ高分子材料研究、医薬品、病理切片、ウイルス、蛍光顕微鏡でマーキングを施した試料等では、まず低倍率観察で組織や構造、位置、視野の全体的な様子を確認し、その上で注目する微細な構造を高倍率で詳細に観察をしていくというフローが多く、近年この一連の観察フローをより簡単に、スループット良く、ハイスピードでデータを取得したいというニーズが高まっております。
JEM-1400Flashはこのニーズに応えるため、高感度sCMOSカメラや超広視野モンタージュシステム、さらには光学顕微鏡画像と電子顕微鏡のリンク機能を拡張させた加速電圧は120kVの新しい透過電子顕微鏡です。
特長
高感度sCMOSカメラ 瞬Flashカメラ
JEOL製高感度sCMOSカメラです。高フレームレート(高速な撮像レート)かつ読み出しノイズが低いので、スループットが良くノイズの少ない鮮明で高精細な画像を取得できます。
新機能 超広視野モンタージュシステム Limitless Panorama(LLP)
従来の電磁視野移動による視野移動手段に加え、ステージ駆動も使用することができるモンタージュシステムを本体に標準搭載しました。これにより、超広域のモンタージュパノラマ画像を簡単に撮影することができ、フィルムに匹敵する広視野・高精細画像の取得が可能です。
また、上記の高感度sCMOSカメラ 瞬Flashカメラとコラボレーションすることで取得画素数の制限が無くリミットレスな広域パノラマ写真を自動で撮影をすることが可能となりました。
新機能 光学顕微鏡画像リンク機能 Picture Overlay
光学顕微鏡などであらかじめ取得したデジタル画像を電子顕微鏡像に重ねて表示することができます。これにより光学顕微鏡で観察した蛍光箇所の高分解能観察を容易に行うことが可能です。
新デザイン ピュアホワイトカラーとLEDランプのコラボレーション
JEOLのブランドカラ―であるピュアホワイトを基調とした洗練されたフォルムの外観デザインを新たに採用しました。操作部にはLEDランプによる操作パネルを配し、皆様がより安心して操作を頂ける様、雑多な配置ではなくシンプルな制御配置を致しました。
また、操作GUI画面も眩しすぎない様にとブラック基調の新GUIを採用しました。
関連リンク
お知らせ (2020/6/29)
仕様・オプション
分解能 | 0.2 nm (HC) 0.14 nm(HR) |
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加速電圧 | 10-120 kV |
倍率 | ×10~×1,200,000(HC)、 ×10~×1,500,000(HR) |
最大試料傾斜角 | ±70° ※オプションの高傾斜ホルダが必要です。 |
最大試料装填数 | 4個 ※オプションの4連試料ホルダが必要です。 |
真空排気系 | TMP |
カタログダウンロード
アプリケーション
汎用TEMを用いたクライオ電子顕微鏡観察 -氷包埋試料作製からクライオ観察まで-
JEM-1400Flashによる生物試料の観察 ー試料作製から観察までの流れー
試料作製法
SiN Window Chipとその応用
SiN Window Chipを用いた広域観察
SiN Window Chipと自動モンタージュシステム「Limitless Panorama (LLP)」機能を使って、超広域・高精細画像を取得しました。
アスベスト/高分解能TEM像
ギャラリー
関連製品
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SiN Window Chip
高強度のSiN膜を使用することで、ミリメートルサイズの連続した広視野を観察することができます。一般的なTEM用グリッドで生じるバーによる視野カットがないので、連続切片の観察にも最適です。専用のリテーナーを使用することで光学顕微鏡との相関顕微鏡法 (CLEM: Correlative Light and Electron Microscopy) が容易にできます。