高感度スキャンによる定性分析から、使い易いSIM定量分析までをカバーした本格派ガスクロマトグラフ質量分析計です。新機能“PEAK DEPENDENT SIM”は、使い易さを追求した条件の自動設定機能です。分析条件の設定時の作業効率を上げるだけでなく、余分な設定値や取り込み条件による作業時間の無駄や感度ロスを低減します。
特長
高い感度と安定性を持つガスクロマトグラフ質量分析計

新しく開発した技術により、スキャンスピードは四重極型質量分析計で最も速い22,222u/secとなり、高感度スキャン測定とSIM測定が可能となりました。100fgのオクタフルオロナフタレン(OFN)の連続測定の結果において、下記の通りに6.3fgと優れた検出限界(IDL)が得られています。
インジェクション回数 | RT.(min) | Area | 相対標準偏差 | IDL |
---|---|---|---|---|
1 | 5.57 | 3065 | ||
2 | 5.57 | 2902 | ||
3 | 5.57 | 2981 | ||
4 | 5.57 | 2955 | ||
5 | 5.57 | 3028 | ||
6 | 5.57 | 3024 | ||
7 | 5.57 | 2987 | ||
8 | 5.57 | 3053 | 1.8% | 6.3fg |
オクタフルオロナフタレン(OFN)100fgをSIMで連続8回測定した際のEIC(m/z 272)
新機能 “PEAK DEPENDENT SIM”
今まで煩わしかったグルーピング設定を行う必要はありません。 新機能 “PEAK DEPENDENT SIM” は最適なグルーピングを自動で設定しますので、誰でも簡単に最適化した SIM 条件で測定を行うことができます。 SIM 測定における1グループあたりの最大チャンネル数は100チャンネル、最大グループ数は300グループです。また、1チャンネルあたりの取り込み時間は 0.1msec 以上で任意に設定可能*です。 (*選択したSIM設定モードによります。)

PEAK DEPENDENT SIM 条件と一般的なSIM条件での感度比較
PEAK DEPENDENT SIMを用いる事で、SIMに比べ感度が2.4~5.5倍向上しました(農薬3成分で比較した場合)。

ニーズに対応したアタッチメント(オプション)
高感度Scan とSIM の実現
四重極型質量分析計といえば電子イオン化(EI) によるGC/MS分析が一般的ですが、JMS-Q1500GC は標準イオン化法であるEI 以外に、化学イオン化(CI)と光イオン化(PI)が選択可能です。 イオン化法を使い分ける事によって、異なる情報が得られます。 同定結果に検証が加えられるだけでなく、研究が一歩前進する可能性があります。 さらに、GC/MS 分析だけでなく、2 種類の直接導入プローブによる分析にも対応可能です。

PI イオン源(オプション)を装着したJMS-Q1500GC
選べるイオン化法
EI (Electron Ionization)
CI (Chemical Ionization)
PI (Photo Ionization)
様々な分析への広がり
PI(Photo Ionization:光イオン化)
PI はソフトイオン化法であり、CI と同様に化合物の分子量情報が得られやすいイオン化法です。 光のみを用いるイオン化法であるため、ガスを必要とするCI に比べ、より簡便に扱うことができます。 EI/PI 共用イオン源であるため、イオン源交換の必要なく、それぞれのイオン化法での測定が可能です。

PIイオン源の概略図

イオン化法によるスペクトルの違い(試料:2-octanone)
直接導入プローブ

直接導入プローブ使用時の JMS-Q1500GC
JMS-Q1500GC では2種類のプローブを選択できます。試料の形態や物性、あるいは目的に応じて、プローブを選択します。

直接導入プローブ/C
(Direct Insertion Probe: DIP)
固体あるいは溶液試料をガラス細管にいれ、ヒーター加熱によって生成する成分をイオン源に導入します。

直接導入プローブ/F
(Direct Exposure Probe: DEP)
溶液試料を白金フィラメントに塗布し、電流による急速加熱によって生成する成分をイオン源に導入します。
好評なメンテナンス操作の向上
装置メンテナンス時間の短縮
以前よりご定評いただいているシンプルな構造のイオン源にさらなる改良を加え、デュアルフィラメントを搭載しながらも、イオン源チャンバーの着脱には一切の工具は必要ありません。多検体の分析で最も汚れるイオン化室が短時間で洗浄可能です。また、シンプルな構造のため、イオン源の再組み立てを間違える心配はありません。

GC/MS総合解析ソフトウェア “Escrime™(エスクリム)”
ソフトウェアEscrimeは、GC/MSデータのデータ解析をより簡単に、より効率よく行うことを目指した総合解析ソフトウェアです。ブラッシュアップした操作環境を提供します。
定性解析ソフトウェアを一新し、ひとつのウインドウに定性解析に必要な情報を集約しました。
すべてのピーク情報はピークリストで管理され、スペクトル解析、ライブラリ検索、クロマトグラム作成などを効率よく行うことができます。

定量条件作成のために、MSPRIMO™ソフトウェアと定性解析ソフトウェアとの連携を改善し、従来に比べて操作性を向上させました。
多試料、多成分の定量解析に必須のソフトウェアです。
定量解析結果の報告書フォーマットは、目的に応じて編集、作成可能です。

幅広くなったソリューションシステム
ヘッドスペース オートサンプラ(HS) GC/MSシステム
ヘッドスペースサンプラは、固体、液体内に存在する揮発性有機化合物(VOC)の分析を行うために用いられる前処理装置です。 日本電子が開発したヘッドスペースオートサンプラ は、ループモードとトラップモードの二つのモードを標準装備したユニークな HS システムです。従来のループモードでは困難であった水中のかび臭原因物質測定においても1pptまで検出可能です。
さらに、食品、材料などに含まれる揮発性成分の測定にも適用できます。

S-Trapによるカビ臭気物質の測定
従来のHSでは測定が難したっか水中のカビ臭気物質の測定も、S-Trapを用いれば基準値の1/10である1pptでも十分な感度を得ることが可能です。

スニッフィングGC/MS システム(におい分析)
スニッフィング GC/MS システムでは、キャピラリーカラムの出口を2系統に分割し、片方をMSに接続し、もう片方を「官能試験用」専用ポートに接続することにより、通常のGC/MS測定を行いながら同時に「官能試験」による測定を行うことが可能となります。官能試験測定者は、キャピラリーカラムからの溶出成分の“におい”を「官能試験用」専用ポートを通じて実際に嗅ぎ、専用ソフトウエア“AROMAVOICE”及びサムレベルスイッチを用いて、溶出成分に関する“におい”の情報をリアルタイムに記録できます。これらの“におい”情報は“AROMAVOICE”に搭載された音声入力機能、もしくはスニッフィング入力アシスタント機能を用いてその強度とともにリスト化され、GC/MSの測定結果とともに保存されます。

Purge&Trap GC/MSシステム
パージ&トラップ(Purge & Trap)GC/MS システムは、パージ&トラップ濃縮装置とGC/MSを組み合わせたシステムです。水中のかび臭原因物質を初めとする水中の揮発性有機化合物分析に威力を発揮します。
写真はTeledyne Tekmar社製オートサンプラー一体型パージ&トラップ濃縮装置Atomx XYZ と組み合わせたシステム構成です。

Pyrolyzer GC/MS システム
パイロライザ GC/MS システムは、熱分解装置とGC/MS を組み合わせたシステムです。熱分解装置による熱抽出、あるいは熱分解によって生成する有機化合物分析に威力を発揮します。
写真はフロンティア・ラボ社製マルチショットパイロライザー(EGA/PY-3030D) とオートショット・サンプラー(AS-1020E)と組み合わせたシステム構成です。

多機能オートサンプラー GC/MSシステム
PAL システムは1 台で液体注入、ヘッドスペース(HS)、固相マイクロ抽出(SPME)、固相抽出(SPE)の自動化や液体試料の分注、希釈などが可能な多機能オートサンプラーです。GC/MS と組み合わせることで、連続的に前処理を行いながらGC/MS 測定を行うことができます。写真はCTC 社製多機能オートサンプラー(PAL RTC)と組み合わせたシステム構成です。

エコ情報
ランニングコストの抑制
電力消費量を従来機からさらに10%下げました

関連リンク
ソフトウェア
アプリケーション
JMS-Q1500GCに関するアプリケーション
GC-QMS Application: 熱分解GC/EI法およびPI法を組み合わせた市販ポリプロピレン製品の解析② ~msFineAnalysis iQによる差異分析例の紹介~
GC-QMS Application: 熱分解GC/EI法およびPI法を組み合わせた市販ポリプロピレン製品の解析① ~msFineAnalysis iQによる統合解析の紹介~
GC-QMS アプリケーションノートブック 水質分析・大気分析・環境汚染物質分析
GC-QMS アプリケーションノートブック 材料および関連規制物質分析
GC-QMS Application: P&T-GC/MS法によるダゾメット、メタム及びメチルイソチオシアネートの分析
GC-QMS Application: パージ&トラップ-GC/MS法によるカビ臭気原因物質の分析
GC-QMS Application: パージ&トラップ-GC/MS法による揮発性有機化合物の分析
GC-QMS Application: 同一カラムによるVOC、カビ臭気原因物質、エピクロロヒドリン、スチレン、 1,2,3-トリクロロベンゼンの分析
関連製品

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ライブラリーデータベース検索だけの定性分析から脱却!
msFineAnalysisシリーズ
msFineAnalysisシリーズは、電子イオン化 (EI) 法マススペクトルを用いたライブラリーデータベース (DB) 検索と、ソフトイオン化法マススペクトルによる分子量確認を組み合わせた "統合解析" を行うことができる自動定性解析ソフトウェアです。
整数質量データ解析のための " msFineAnalysis iQ" と、精密質量データ解析のための
" msFineAnalysis" が、解析精度の向上、作業時間の短縮、作業効率の向上を実現します。

TQ-DioK ダイオキシン分析プログラム
TQ-DioKはダイオキシン・PCB専用定量解析ソフトウェアです。
数多くの異性体が存在するダイオキシン及びPCBの定量分析では、化合物のピーク同定、検量線作成、定量値算出作業などに、膨大な時間と専門的な知識を必要とします。
TQ-DioKは、磁場型MS専用定量分析ソフトウェアとして実績あるDioKをベースとして開発された、卓上型GC-MS専用のダイオキシン・PCB定量分析ソフトウェアです。
TQ-DioKでは環境試料中のダイオキシン分析や、塗膜くず中のPCB分析といった専門的な定量分析作業の大半を自動化しており、解析に要する時間を大幅に短縮しました。
これまでに培った解析ノウハウと、お客様のご要望に沿った機能を多く搭載したTQ-DioKを使えば、誰でも簡単に解析処理をすることが可能です。